ベルサイユのばら

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ベルサイユのばら』は、池田理代子による日本漫画作品。通称「ベルばら」。フランス革命前から革命前期を舞台に、男装の麗人オスカルとフランス王妃マリー・アントワネットらの人生を描く、史実を基にしたフィクション作品。ベルサイユとはヴェルサイユ宮殿のこと。

目次

概要

『ベルサイユのばら』は、1972年21号から1973年まで『週刊マーガレット』(集英社)に連載された漫画である。フランス・ブルボン朝後期、ルイ15世末期からフランス革命でのアントワネット処刑までを描いている。前半はオスカルとアントワネットの2人を中心に描き、中盤以降はオスカルを主人公として、フランス革命に至る悲劇を描いた。2005年から2006年にかけて完全版コミックスが刊行された。

宝塚歌劇団による舞台化の大成功が作品のヒットに拍車をかけ、テレビアニメベルサイユのばら』、劇場版アニメなどが製作されて一種の社会現象となった。また、新しい劇場版アニメの製作も行われておりパイロットフィルムが公開されている。

オーストリア作家シュテファン・ツヴァイク小説『マリー・アントワネット』に感銘を受け、同小説を参考(史実部分の多くは訳文を拝借)にして描いた作品とし<ref>『愛蔵版ベルサイユのばら上巻』(中央公論社1987年)の著者の前書きより。</ref>、作中で描かれたオスカルのフランス衛兵隊ベルサイユ常駐部隊長時代の軍服は、フランス革命期のものではなく、より豪華絢爛なナポレオン帝政期のものを基にしたとそれぞれ池田は述べている。

あらすじ

フランス王国貴族であるレニエ・ド・ジャルジェ将軍には家督を相続すべき息子がなく、6番目の子供の誕生を心待ちにしていた。しかし、1755年12月25日に生まれたのはまたもや女児。失望した将軍は「元気な泣き声」という理由から姉妹の中で最も美しく生まれた六女に「オスカル・フランソワ」という男性名を付け、息子として育てて後継者にすることにした。オスカルは以後、軍人として厳しく育てられることとなる。

同年11月2日、後にフランス国王ルイ16世の王妃となるオーストリア皇女マリー・アントワネット・ジョセファ・ジャンヌ・ド・ロレーヌ・オートリッシュ<ref>結婚前のドイツ語名はマリア・アントーニア・ヨーゼファ・ヨアンナ・フォン・ハプスブルク=ロートリンゲン</ref>がオーストリア女帝マリア・テレジアとその夫神聖ローマ皇帝フランツ1世の11女としてウィーンに生まれる。アントワネットはウィーン・シェーンブルン宮殿において兄姉と共にのびのびとした子供時代を過ごした。

当時のオーストリア・ハプスブルク家は、フランスとの同盟関係を深めようとしており、その一環として母マリア・テレジアは、アントワネットとフランス国王ルイ15世の孫、王太子ルイ・オーギュストとの政略結婚を画策。1770年5月16日、アントワネットはフランス王太子妃となり、近衛連隊長付大尉となっていたオスカルと出会い、美貌と誠実さを好ましく思う。

1774年5月10日、ルイ15世が天然痘で死去。王太子ルイが即位してルイ16世となり、フランス王妃となったアントワネットの推挙によりオスカルも若くして近衛連隊長に、階級も大尉から一気に大佐となる。

オスカルはそれをかさに着ることなく、アントワネットに良い王妃となるよう度々進言するが、アントワネットは異国の宮廷に溶け込めないなどの寂しさなどから国民の納めた税金で浪費する様になる。

アントワネットが王太子妃時代に知り合い、ひそかに想い合っていたスウェーデン貴族フェルゼンアメリカ独立戦争より帰還。彼は以後、アントワネットの傍らに寄り添うようになる。オスカルも人知れずフェルゼンの事を愛していたが、実らぬ恋と知って身をひく。そして、自分を幼い時からずっと見守ってきてくれた幼馴染で従卒のアンドレ・グランディエに心惹かれていく。

一方、ロベスピエールミラボー伯など進歩的政治家らに接し、さらに民衆の窮乏を自分の目で確かめたオスカルは、次第に社会に疑問を持つようになる。そのころパリでは、苦しい生活に耐えかねた民衆がアントワネットを憎悪し、様々な流言が飛び交う。それを彼女が知った時には、すでに時代は革命へと向かっていた。 Template:ネタバレ

登場人物

本編

オリジナルキャラクター

オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ

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アンドレ・グランディエ

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マロン・グラッセ・モンブラン
通称「ばあや」。アンドレの母方の祖母でオスカルの養育係。バイタリティに富み、口やかましく心配性だが心からオスカルを愛している。
ロザリー・ラ・モリエール

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後に投獄されたアントワネットの世話係がモデルであるが、物語中のエピソードは創作によるもの。
ベルナール・シャトレ
新聞記者。父は貴族、母は貧しい商家の娘で父に囲われていた。父から宛われたパリの屋敷で生まれたが、5歳の頃、新しい愛人が出来た父によって母子ともども家を追われた末、母に心中を図られ、1人生き残ったという過去を持つ。その後、父への憎しみが貴族全体への憎しみに変化。「黒い騎士」の名で義賊めいたことを行っていた。オスカルに捕えられるが、平民の実態を知ったオスカルは窃盗を止める事を条件にロザリーを託し、街へと帰される。原作とテレビアニメ版ではロザリーとの馴れ初めが異なる。カミーユ・デムーランがモデル。アランと同じく、『栄光のナポレオン-エロイカ』にも登場し、そこではロザリーとの夫婦円満ぶりが描かれている。
アラン・ド・ソワソン

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ディアンヌ・ド・ソワソン
アランの妹。兄に似ず愛らしく清楚な娘で衛兵隊のアイドル。名ばかりの貴族という事と貧しさを理由に婚約者に捨てられ、首吊り自殺をしてしまう。
ジェローデル少佐(ヴィクトール・クレマン・ド・ジェローデル)
貴族の次男で、近衛隊でのオスカルの部下。オスカルがフランス衛兵隊へ去ったのち、近衛隊長に任命。同時にオスカルの前に求婚者として現れるが、アンドレへの想いをオスカルから聞かされ、静かに身を引く。自分の容姿に自信を持っているため、うぬぼれが強く気障(きざ)だが愚かではなく、オスカルの女性としての密かな葛藤をも見抜いている。
画家の先生
画家。白馬にまたがるオスカルの肖像画を描く。マロン・グラッセに恋をしていた。テレビアニメ版では痩身初老で、名はアルマンといい、マロンとの恋愛は描かれてない。
ピエール
パリの下町に住む平民の息子でロザリーとは近所同士。貧しさの余り馬車から金を盗んだことから、ド・ゲネメ公爵に銃殺される。
ド・ゲネメ公爵(アンリ・サルバドール)
広大な領土を地方に所有するフランスの大貴族。オルレアン公の派閥。尊大で高慢な性格で、アニメ版ではピエール銃殺の件でオスカルとドファルジュ寺院にて決闘をした。『二都物語』のエブルモント侯爵がモデル。
シャルロット
ポリニャック伯夫人の娘で、ロザリーの異父妹。11歳。オスカルに思いを寄せていたが、母に幼くして、43歳だが会計検査庁長官でボナージュ地方をほぼ領有している大貴族のローラン・ド・ギーシュ公爵と政略結婚をさせられそうになり、政略結婚と相手に対する嫌悪とが重なって自殺する。

実在の人物

実在の人物は、各リンク先も併せて参照のこと。

マリー・アントワネット
ルイ16世王妃。オーストリア皇女として生まれ育ち、14歳でフランス王太子の元へ嫁ぐ。華やかに美しく、人を惹き付ける天性の魅力を持つが、浪費等で民衆の恨みを一身に受け、革命により断頭台処刑される。
オーストリア皇女時代のドイツ語名は「マリア・アントニア」であったが、低学年読者の混乱を避けるために最初から「マリー・アントワネット」に統一されている<ref>単行本9巻170頁「ベルサイユのばら 連載を終えて…」参考。</ref>。
フェルゼン(ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン)
パリに留学していたスウェーデン貴族。アントワネットと惹かれあった事などから民衆の憎悪の対象となる。革命の最中に国王一家をオーストリアへ逃亡させようとした(ヴァレンヌ逃亡事件)事もある。親友であったオスカルの自分への想いに気づき、一時距離を置くが、生涯最高の友であったと後に語る。アントワネット処刑以降、帰国したスウェーデンで冷酷な政治家へと変節。1810年、奇しくもヴァレンヌ逃亡事件実行の日である6月20日、彼を憎む民衆によって虐殺された。
ソフィア
フェルゼンの妹。出会ったオスカルに魅了されるが、兄に「あの方は長生きできないタイプだ」と印象を漏らす。実在の人物(en)。
ルイ16世
フランス王。ルイ15世の崩御より即位。趣味は鍛冶と狩猟。小太りでおとなしく優柔不断だが、家庭的な優しい性格で、国民からも慕われていたが、ヴァレンヌ事件をきっかけに国民の信頼を失い、処刑される。
エリザベス(史実上の名はエリザベート)
ルイ16世の妹でフランス王女。亡命後、各国へフランスへの攻撃を唆した王弟プロヴァンズ伯アルトワ伯を憎悪し、革命勃発後も兄一家と行動を共にする。処刑直前のアントワネットが手紙を送ろうとした。原作のみの登場。
マリー・テレーズ
アントワネットの娘。フランス王女。
ルイ・ジョゼフ
アントワネットの長男。王太子。脊椎カリエスで死亡する。オスカルに憧れを抱いていた。
ルイ・シャルルルイ17世
アントワネットの次男。フランス王子。兄の死後、王位継承者となるが革命勃発後、アントワネットと引き離される。
マリア・テレジア
アントワネットの母。オーストリア女帝。
カウニッツ
オーストリアの総理大臣。ヨーロッパの平和のためにアントワネットのフランスへの輿入れを提案した。女帝の意を挺し、公式寵姫enであるデュバリー夫人への態度を改めるようアントワネットに訓令を出した。あだ名は「カウニッツのがりがりじじぃ」。
メルシー伯
アントワネットを心配したマリア・テレジアが派遣したオーストリア大使。そしてアントワネットの教育係でもある。耳の痛い小言ばかり言うが、アントワネットを心配しての事であり、真の忠誠心をもって仕えている。実在の人物(en)。
ノアイユ伯夫人
フランス王室に嫁いだアントワネットの教育係である貴婦人。アントワネットから「エチケット夫人」とあだ名を付けられたが、アントワネットを心から心配している。実在の人物(en)。
ルイ15世
ルイ16世の祖父。1774年5月10日崩御。「宮廷をめかけの天下にしていた」好色家で、民衆から「すけべじじぃ」と言われていた。
デュ・バリー夫人
ルイ15世の愛妾。アントワネットと対立していたが、ルイ15世の崩御に伴い、宮廷から追放される。作中では自らの欲とプライドのためには手段を選ばない傲慢な人物として描かれている。5歳の時に天涯孤独となったという設定はアニメオリジナル。
ルブラン夫人
アントワネットのお抱え画家。実際よりも顔をやさし目に描いた事で、気に入られていた。妊娠中だったのをアントワネットが労っていた。
ローズ・ベルタン
アントワネットの御用ドレスメーカー。流行の最先端をつくりだしていた。実在の人物(en)。首飾り事件の直後、経費削減の為に解雇されたというのはフィクション設定。
ガマン先生
ルイ16世の趣味である錠前の師匠。原作のみ登場。実在の人物(fr)。
ポリニャック伯夫人(シャロン・ド・ポリニャック)
結婚前の名は「マルティーヌ・ガブリエル・ド・グラール」 元々は宮廷への出入りは許されているが、借金だらけの伯爵家夫人だった。優しげな印象に心惹かれたアントワネットから、夫を郵政大臣に任命されるなど寵愛を受ける様になると、私利私欲を追求する裏の顔を持つが、革命勃発と同時にウイーンに亡命する。結婚と同時に改名という部分と、ロザリーの実母という部分はフィクション設定。
ジャンヌ・バロア・ド・ラ・モット
ロザリーの異母姉。美人だが野心の強い性格。左目の下にほくろがある。旧王家のバロア家の末裔を名乗って貴族の養女となり、様々な犯罪行為の末に首飾り事件を起こす。高等法院で、鞭打ちの後、両肩に(「泥棒」を意味する)「V」の焼き鏝を両肩に捺された上en終身禁錮刑の判決を受け、サルペトリエール監獄enに投獄されたが、何者かの幇助で脱獄。でっち上げの“ジャンヌ・バロア回想録”を出版し、王室を強烈に批判する。
ニコラス・ド・ラモットen
元々はブーレンビリエ家に出入りする平民の軍人だったが、養女のジャンヌに唆され、貴族に成りすましローアン大司教の推薦で近衛隊に入隊するが、上官であるオスカルからは「変な男」と思われていた。ジャンヌと共に悪事に手を染めてゆく。
ブーレンビリエ侯爵夫人
「バロア王朝の末裔の孤児」という言葉を鵜呑みにし、ジャンヌを屋敷に引き取り貴婦人としての教育を受けさせるなど、お人好しな面がみられる。実在の人物だが、ジャルジェ夫人の友人である事と、ジャンヌの野望で殺害されたという部分はフィクション設定。
レトー・ド・ヴィレットen
他人の筆跡を真似るのが得意な詐欺師。ジャンヌと共謀し、偽書類を作成していたが首飾り事件で逮捕。国外追放の判決を受ける。原作とアニメで容姿が異なる。
ニコル・ド・オリバ
パリの下町で娼婦をしている娘。アントワネットにうり二つの容姿をジャンヌに利用され、首飾り事件に関与させられるが、裁判では無罪となる。テレビアニメ版では全盲に設定変更されている。
レニエ・ド・ジャルジェ
ベルサイユ居住の貴族で、王室に仕える将軍という設定と、コンシュルジュリー牢獄のアントワネットと面会したというエピソード(原作のみ)以外は、全てフィクション。オスカルの父。
ジャルジェ夫人

オスカルの母。人違いをしたロザリーに殺されかかった事がある。物静かで心優しい性格。アントワネット付きの侍女をしていたという部分以外は、フィクション。

オルレアン公(ルイ・フィリップ2世ジョゼフ)
フランスの王族。妻はルイ14世の曾孫。面従腹背の野心家で、テレビアニメ版ではアントワネットのフランス入りを阻止を企んだりなど、王位を狙って様々な策謀を巡らした。原作とアニメでは容姿が大きく異なる。
アデライード内親王ヴィクトワール内親王ソフィー内親王
ルイ15世の娘でルイ16世には叔母(父親の妹)にあたる3姉妹。父の愛妾であるデュ・バリー夫人を毛嫌いし、アントワネットにデュ・バリー夫人を無視する様に吹き込む。本編ではルイ15世の死とともに登場しなくなるが、実際には革命前に死去したソフィー以外の2人は革命後にイタリアに亡命している。
ブイエ将軍
王党派軍人。陸軍参謀総長、のち陸軍総司令官。オスカルの父、レニエ・ド・ジャルジェ将軍(fr)とは古い友人。衛兵隊異動後のオスカルの上司。オスカルに平民議員や市民への発砲を命じる。また原作ではヴァレンヌ事件で国王一家救出に失敗した。実在の人物(en)でフランス国歌にも登場する。
リアンクール公
ルイ16世の側近。バスティーユ襲撃を報告する時、暴動かと訝る国王に「いえ、陛下、革命でございます」と言上した。原作のみ登場。実在の人物(en)。
エベール
パリの市議会議員。アントワネット裁判の際、虚偽の事件を仕立て上げてアントワネットを陥れようとしたが、逆襲された上に聴衆の女性達から反感をくらい、サン・ジュストにその後の運命を暗示するような発言をされている。
マクシミリアン・ド・ロベスピエール
弁護士で、のちのフランス革命政府指導者。身分と貧しさから不遇の少年時代をすごした為、貴族を憎んでいた。原作では貧しい平民の味方で、情熱的な革命家という風に描写されているが、アニメ版では革命の気運が高まるに連れて過激化し、手段を選ばなくなるなど、後の恐怖政治を暗示させる描写も見られる。
サン・ジュスト
革命家。ロベスピエールの側近。国民公会で、ルイ16世の処刑を支持する演説を行い、国王処刑へと導いた。原作ではベルナールの遠縁に当たる設定で、小説・『オルガン』を出版したことがきっかけで、警察に追われる身だった。ロベスピエールを尊敬する若き革命家であるが、アニメ版では過激な思考を持つテロリストとして描かれており、ロベスピエールに対してすら辛らつな言葉を投げかけている。
ジャン=バティスト・ドルーエ
1763年生まれ。ジャコバンクラブに加入する革命家。宿駅長を務めるサン・ムヌーenで国王一家の正体を見破り、先回りをしたヴァレンヌで捕らえ、パリへ帰還させる。実在の人物(en)で原作のみの登場。
ナポレオン・ボナパルト
『栄光のナポレオン-エロイカ』の主人公。フランス革命後の混乱の中、軍人として台頭し、ついに皇帝の座へ上り詰める。本作品登場時はまだ砲兵隊の大尉で、1シーンだけであるがオスカルと言葉を交わす場面が描かれている。

外伝 黒衣の伯爵夫人

「黒い騎士」騒動の頃のエピソードとして、実際の事件をモチーフに描かれている。文庫版の5巻と完全版の8巻に収録。

姉のオルタンスの住む城へ休養に出かけたオスカル・アンドレ・ロザリー。城に着いた彼らを待っていたのは、オルタンスとその娘のル・ルー、そして人々を脅かしている「吸血鬼」の噂だった…。

「黒衣の伯爵夫人」登場キャラクター

オルタンス・ド・ラ・ローランシー
オスカルの姉で、ル・ルーの母親。裁縫が下手らしい。
ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
オルタンスの一人娘で、妙に大人を食ったところがある。オルタンスが作ったル・ルー人形を常に持っている。ロザリーと仲良くなる。
爆発したような天然パーマをツインテールにしており、愛嬌がある。
後述の『Kids』では誕生日が3月24日。モデルも存在している事も判明している<ref>2009年5月9日朝日新聞『be』「ベルばらKids」より。解説者・石塚知子が池田に問い合わせによる、解答から。</ref>。
エリザベート・ド・モンテクレール
モンテクレール城に住む美貌の伯爵夫人。時計技師に無理やり人殺し人形を作らせ、その人形で大勢の少女を殺害。その血で沐浴することで、自らの若さと美を保てると信じていた。エリザベート・バートリがモデル。
リオネル
モンテクレール城に住む美しい青年。モンテクレール伯爵夫人の甥という触れ込みだが、その正体はぜんまい仕掛けの人形で犠牲者を恐ろしい力で拘束し、胸部から突き出す刃で殺害する。
カロリーヌ・ド・ルフェビュール
貴族の娘。オスカルに付き添うロザリーに嫉妬し、彼女に意地悪を仕掛けるが、モンテクレール伯爵夫人により殺害される。

ベルサイユのばら 外伝

雑誌『月刊Jam』(中央公論社刊)にて1984年6月号~1985年4月号まで連載された。全4話。「黒衣の伯爵夫人」同様、「黒い騎士」騒動の起こった頃のエピソードとして書かれている。「黒衣の伯爵夫人」にも登場したオスカルの姪・ル・ルーを主人公に据えた、コメディ色の強いシリーズである。中央公論社より、愛蔵版・文庫版(全1巻)が刊行されているほか、完全版の9巻にも収録されている。

外伝登場キャラクター

本編・「黒衣の伯爵夫人」に登場したキャラクターは、追加点のみを述べる。

ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
外伝の主人公。オスカルの姉・オルタンスの一人娘。おしゃべりで好奇心が強く、どこにでも行ってしまうために周囲(主にオスカル)の頭痛の種となっている。非常に勘がよく、機転がきくためオスカルや周囲の人間のピンチを何度も救う。STORY3で初恋を経験するが、相手が男装した女性(オスカルではない)であった事を知り、失恋に終わる。
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
ル・ルーから見れば叔母に当たる。作者の絵柄の変化により、より男性的な体つきになっている。STORY2では、突然現れた弟を前に、自身の存在意義について揺れる事になる。
アンドレ・グランディエ
外伝では、ほぼル・ルーの遊び相手兼おもちゃと化している。だが完全ないじられ役ということもなく、オスカルやル・ルーを守る場面も多い。また、馬の世話をするなど、本編ではあまり描かれなかった使用人としての姿が見られることもある。
ロザリー
本編より一層、おっとりした部分・天然ボケな部分が強調されている。周囲の人間が皆渋る中、唯一ル・ルーの来訪を喜んだ人。
マロン・グラッセ
腰痛のおかげで事件に巻き込まれかける。アンドレへのヤキは健在。
レニエ・ド・ジャルジェ
平民の旦那の様だと嘲られるほど妻一筋の堅物。の、筈が。思わぬ隠し子登場にたじたじとなる。
ジャルジェ伯夫人
友人達から不謹慎と言われる程の貞淑な良妻賢母。
モーリス
オスカルの父・レニエの子どもであると名乗り出てきた少年。彼の出現により、レニエは家庭内で微妙な立場に立たされる。途中で、ある事実に気づく。
オルタンス・ド・ラ・ローランシー
行儀見習いの為に娘のル・ルーを母に預ける。巻頭の序章に拠ると、オスカルの一番上の姉。

宝塚歌劇

Template:Main 宝塚歌劇団で公演された演劇作品。1974年初演。

テレビアニメ

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1979年10月10日から1980年9月3日まで、日本テレビ系列で放送されたテレビアニメ。全40話。

なお、フランスでは『Lady Oscar』のタイトルで放映された。

キャスト

スタッフ

主題歌

オープニングテーマ
「薔薇は美しく散る」
作詞:山上路夫/作曲・編曲:馬飼野康二/歌:鈴木宏子
エンディングテーマ
「愛の光と影」
作詞:山上路夫/作曲・編曲:馬飼野康二/歌:鈴木宏子/ナレーション:志垣太郎(~21話)

放送リスト

放送日回数サブタイトル脚本絵コンテ演出作画監督
1979年10月10日1オスカル!バラの運命篠崎好小田響堂山吉康夫荒木伸吾
姫野美智
1979年10月17日2舞え!オーストリアの蝶今沢哲男
1979年10月24日3ベルサイユに火花散る山田正弘岡崎稔
1979年10月31日4バラと酒とたくらみと永丘昭典
1979年11月7日5高貴さを涙にこめて山吉康夫
1979年11月14日6絹のドレスとボロ服杉江慧子高屋敷英夫出崎哲
1979年11月21日7愛の手紙は誰の手で永丘昭典
1979年11月28日8我が心のオスカル篠崎好出崎哲
1979年12月5日9陽は沈み陽は昇る永丘昭典
1979年12月12日10美しい悪魔ジャンヌ山田正弘山吉康夫
1979年12月19日11フェルゼン北国へ去る
1979年12月26日12決闘の朝オスカルは…?杉江慧子
1980年1月9日13アラスの風よ応えて…永丘昭典
1980年1月16日14天使の秘密篠崎好関根芳久山吉康夫
1980年1月23日15カジノの伯爵夫人今沢哲男
1980年1月30日16母、その人の名は…?山田正弘山吉康夫
1980年2月6日17今めぐり逢いの時永丘昭典
1980年2月13日18突然イカルスのように杉江慧子高屋敷英夫山吉康夫
1980年2月20日19さよなら妹よ!さきまくら竹内啓雄
1980年2月27日20フェルゼン名残りの輪舞篠崎好
1980年3月5日21黒ばらは夜ひらく
1980年3月12日22首飾りは不吉な輝き山田正弘
1980年3月19日23ずる賢くてたくましく!
1980年3月26日24アデュウ、わたしの青春杉江慧子
1980年4月2日25かた恋のメヌエット竹内啓雄
西久保瑞穂
1980年4月9日<ref>この回の1986年11月27日の再放送時には17.0%の最高視聴率を記録した。</ref>26黒い騎士に会いたい!篠崎好
1980年4月16日27たとえ光を失うとも
1980年4月30日28アンドレ、青いレモン山田正弘
1980年5月14日29歩き始めた人形
1980年5月21日30お前は光俺は影杉江慧子竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
1980年6月4日31兵営に咲くリラの花
1980年6月18日32嵐のプレリュード篠崎好
1980年7月2日33たそがれに弔鐘は鳴る
1980年7月9日34今“テニス・コートの誓い”山田正弘
1980年7月23日35オスカル、今、巣離れの時
1980年7月30日36合言葉は“サヨナラ”杉江慧子
1980年8月6日37熱き誓いの夜に
1980年8月20日38運命の扉の前で篠崎好
1980年8月27日39あの微笑はもう還らない!
1980年9月3日40(最終話)さようならわが愛しのオスカル山田正弘
1980年9月10日41(総集編)ベルサイユのばらと女たち

逸話

アニメ「巨人の星」の監督であり、『ベルサイユのばら』テレビアニメの12話まで総監督を担当した長浜忠夫は、「巨人の星」でも用いられた独特の「長浜調」の演出を行なった。長浜の後任となった出崎統は対照的に、「詩的で繊細な「出崎調」の演出を心がけたため、「ベルばら」はアニメファンのあいだで熱烈な支持を得るようになった」と山本はコメントしている<ref>『テレビアニメ魂』(pp.178-180)</ref>。視聴率が振るわなかった地方局の打ち切り用の最終回で、第24話として総集編「燃えつきたバラの肖像」という回がある。

番組の移り変わり

Template:前後番組

劇場版アニメ

Template:Infobox Film

テレビアニメ版の再編集作品で、当初はビデオ作品として1987年5月21日に発売された。声優を変更して新たに収録し直された。1990年公開。

キャスト

スタッフ

  • 監督:こだま兼嗣/竹内啓雄
  • 製作:藤岡豊
  • プロデューサー:加藤俊三
  • 原作:池田理代子
  • 脚本:山田正弘/篠崎好/杉江慧子
  • 企画:梅谷茂/山本又一朗
  • キャラクターデザイン:姫野美智
  • 作画監督:荒木伸吾
  • 撮影:高橋宏固
  • 音楽:馬飼野康二
  • 美術:水谷利春/窪田忠雄/川井憲
  • 録音:山田悦司
  • 構成:竹内啓雄

劇場版アニメ(21世紀版)

Template:公開前の映画 東京国際アニメフェア2007にて、パイロット版が上映された。キャスト・公開時期は未公開。

スタッフ

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実写版映画

Template:Infobox Film 1979年3月公開の実写映画で、タイアップは資生堂。ストーリー展開は原作と異なる。監督・音楽にジャック・ドゥミミシェル・ルグラン フランス政府の協力によりヴェルサイユ宮殿での撮影が特別に許可された。

キャスト

スタッフ

関連項目

ドラマCD

2003年GOHAN RECORDSより、「―忘れ得ぬ人・オスカル―」という副題がついたCDドラマが出されている(品番 GPCV-1001)。

キャスト

このメンバーはその後パチンコ台(エース電研・トリプルA)としてリリースされた「CRベルサイユのばら」にも声の出演をしている。

梅田コマ劇場ミュージカル版

昭和50年(1975)4月に、宝塚初演の成功を受け、俳優女優の出演によって制作されたミュージカル。 梅田コマ劇場(現・梅田芸術劇場)にて上演された。 大人の恋愛劇の趣きが強く、フェルゼンとアンドレをにしきのあきら(現・錦野旦)が一人二役で演じるなど独特の演出がなされたが、公演期間は2週間に満たなかった。

キャスト

フェルゼン・アンドレ:にしきのあきら アントワネット:奈美悦子 オスカル:森田日記 アラン:林ゆたか


ベルばらKids

2005年10月より朝日新聞土曜日別冊朝刊『be on Saturday・エンターテインメント』に掲載されている、池田作画の4コマ漫画とコラムから成るミニコーナー。
4コマ漫画はギャグテイストになっており、オスカル達が現代日本の視点で話すなど、ベルばら本編のパロディ的側面も持った独自の内容。アンドレの母など、本編には登場しなかったキャラクターも登場する。登場キャラクターは全員が3頭身だが、例外的にオスカルのみ通常頭身で登場したことがある。
連載開始から2009年4月までは2作の漫画が掲載されていたが、現在は1作。

英訳版

1981年三友社出版が全7作の英訳版の刊行を企画し、同7月に The Rose of Versailles Vol.1、11月に The Rose of Versailles Vol.2 が発行されたが、以後、企画が頓挫しており、復刊ドットコムなどでファンから完結が待ち望まれている。訳者は、『ニッポンマンガ論 ― 日本マンガにはまったアメリカ人の熱血マンガ論』(マール社1998年)などの著者フレデリック・L. ショット

その他

  • TVアニメ版が放映開始される直前の1979年9月17日に放送された「ルパン三世」の第101話『ベルサイユは愛に燃えた』にオスカル(声:二木てるみ)が登場する。この話はルパン三世100回記念のシナリオ公募作品であった。
  • 2000年LAREINE(ラレーヌ)が、アニメ版の主題歌「薔薇は美しく散る」をカバー。原作者の池田理代子もコーラスで参加。初回限定盤のジャケットには池田の描き下ろしイラストが描かれている。
  • 2004年2月4日の フジテレビトリビアの泉にて原作の絵の一部が用いられた。なおこのシーンではオスカルとアンドレの声をテレビアニメ版の田島令子と志垣太郎が声を当てていた。
  • 2006年の春にタキイ種苗から『ベルサイユのばら』と名付けられたペチュニアの新品種が発売されている。また発売記念グッズにベルばらのイラストが使われた。
  • ヴァレンヌ逃亡によりマリー・アントワネットが恐怖のあまり一夜で白髪になるという描写があるが<ref>単行本9巻65頁。</ref>、マリーが一晩で白髪になったと記した文献や伝承は見られない。
  • 連載当時にはオスカルのファンクラブも結成されていた。『ばらベルサイユ』という機関紙が発行されており、現在ではその一部を2002年発行の『ベルサイユのばら大事典』で見ることができる。ちなみに機関紙を中心となって編集していたのは作中、舞踏会のシーンにプラカードを持って登場したこともあるエミリという女性。
  • 本作ではオスカルの死後、バスティーユ陥落からアントワネットの処刑までが10回の連載となっているのは、一番人気のオスカルが退場することによって人気が落ちることを懸念した編集部の意向によるものであったことを作者自身が明らかにしている<ref name="JITEN">『ベルサイユのばら大辞典』作者インタビューより</ref>。
  • 原作者の池田理代子はテレビアニメ版のビデオを購入はしたものの、「眼が疲れる」という理由で一度も通して見たことがない。また、人づてに聞いたアランのその後が気に入らず、後に自身の作品「エロイカ」に登場させるきっかけとなった。<ref name="JITEN" />。
  • 台湾ではアニメ全話収録・吹き替え付きのDVDボックスが出ていた。

脚注

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外部リンク

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