ブノワ・マンデルブロ

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thumb|マンデルブロ(2006年の写真) ブノワ・マンデルブロBenoît B. Mandelbrot, 1924年11月20日 - )はユダヤ人でフランス系アメリカ人の数学者フラクタルの父として著名である。マンデルブロートとも表記される。英語圏やフランス語圏での一般的な発音はマンデルブロートに近い。

ブノワ・マンデルブロはポーランドに生まれたが、幼少時に家族とともにフランスへ移住した。フランスとアメリカ二重国籍を持ち、教育はフランスで受けている。マンデルブロは現在、アメリカに居住し、研究も同国で行なっている。エール大学イェール大学)名誉教授。またIBMトーマス・J・ワトソン研究所の名誉フェローでもある。パシフィック・ノースウェスト国立研究所 (Pacific Northwest National Laboratory) のフェロー (Battelle Fellow) でもある。

目次

幼少期から青年期まで

マンデルブロはポーランドワルシャワで、ラテン系ユダヤ人の家庭に生まれた。家系はリトアニアからの移民であった。当時のポーランドの政治的背景から、1936年、ブノワが11歳の時に一家はフランスに移住した。戦争が近づく中、一家はブノワの教育課程が修了するまでフランスにとどまった。ブノワの家庭は大変教育熱心で、彼は医師である母の2人の伯父から数学の教育を受けた。伯父シューレム・マンデルブロ (Szolem Mandelbrojt) はパリで著名な数学者であった。父は衣服の流通で生計を立てていた。

マンデルブロは第二次世界大戦開戦前に一家でチュールに引っ越すまで、パリのリセ・ロラン (Lycée Rolin) という高校に通学していた。1944年、彼は再びパリに戻り、1945年から1947年にかけ、高等教育機関エコール・ポリテクニークに在籍、ガストン・ジュリアとポール・レヴィ (Paul Lévy) に師事した。その後2年間はアメリカのカリフォルニア工科大学にて航空工学を学んだ。その後再びフランスに戻り、1952年にパリ大学にて数学の博士号を取得した。

1949年から1957年にかけてはフランス国立科学研究センターの研究員として働いた。この間、彼はジョン・フォン・ノイマンに後援され、ニュージャージー州プリンストンプリンストン高等研究所に在籍した。1955年、マンデルブロはアリエット・カガン (Aliette Kagan) と結婚し、ジュネーヴに転居、更にリールに引っ越した。

1958年、夫妻はアメリカに移住、ニューヨーク州ヨークタウン・ハイツにあるIBMのトーマス・J・ワトソン研究所に研究員として就職した。その後IBMで32年間働き、フェロー、その更に後には名誉フェローになった。

青年期から

1951年からマンデルブロは数学だけでなく、情報理論経済学流体力学の研究と論文発表を行なった。これらの研究の結果、彼は長距離秩序自己相似という2つの研究テーマを選んだ。マンデルブロは金融市場の価格変動が正規分布ではなく、理論的には分散が無限大である安定分布に従っていることを発見した。彼は一例として、綿花の価格はパラメータが2の正規分布よりも、パラメータαが1.7の安定分布に従うことを突き止めた。

1975年、マンデルブロは一連の図形を表現するためにフラクタルという概念を考案し、1977年にLes objets fractals, forme, hasard et dimension (英語のタイトルはFractals: Form, chance and dimension)という論文で発表した。

1979年、ハーバード大学数学科の客員教授として勤務している間、マンデルブロはジュリア集合と呼ばれる、複素平面においてある変形を加えても変化しないフラクタルについての研究を始めた。この図形は以前ガストン・ジュリアとPierre Fatouによって研究されており、マンデルブロはコンピュータを使って、数式 z2 − μ のイメージを得た。ジュリア集合のトポロジーが複素パラメータ μ にどう依存するかを調べる過程で、後に彼にちなんで名前が付けられることとなるマンデルブロ集合を発見した。

1982年、マンデルブロは自身の理論を拡張し、The Fractal Geometry of Nature として発表した。この論文の影響により、専門的な分野と一般的な数学の両方で、マンデルブロの理論は主流となった。

1987年にはIBMを退職、マンデルブロはイェール大学の数学科に加わった。2005年にはこの職を退職、同時に数学科の名誉教授となった。

受賞歴

業績

フラクタルを導入し、マンデルブロ集合を最初に考察したことで知られる。

関連項目

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