プロ野球ファミリースタジアム

出典: Wikipedio

ファミスタ から転送)

プライバシー・ポリシー Wikipedioについて 免責事項 Template:コンピュータゲームプロ野球ファミリースタジアム』( - やきゅう - 、Pro Yakyu Family Stadium)とは1986年12月10日にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)から発売されたファミリーコンピュータ用野球ゲームである。「ファミスタ」(Famista)の通称で親しまれ、第4作『ファミスタ'89 開幕版!!』からは「ファミスタ」が正式名称となった。

本項では、1986年発売の本作品をはじめとしたファミコン版ファミスタシリーズについて記述していく。

目次

概要

最初のファミスタ登場以前、ファミコンにおける野球ゲームは任天堂の「ベースボール」(1983年12月発売。1986年2月にはディスクシステム移植版も発売)が唯一のものとして存在していた<ref>ちなみにファミコン以前の野球(テレビ)ゲームではいずれもアーケードゲームで「ビクトリアスナイン」(タイトー)「チャンピオンベースボール」(アルファ電子)がすでに選手やチームの差異を実現していた。</ref>。それは当時としては決して出来が悪いものではなかったが、ROMカートリッジ容量の制約からゲームシステムをコンパクトにまとめる必要があった為、野球ファンを筆頭としたファミコンユーザーからはより内容を充実させ「ベースボール」の不満点(選手・チームの個性がないこと、守備が自動守備のみであるがために守備時に野手をプレイヤーが操作できないこと等)を解消した「もっと面白い野球ゲームがプレイしたい」という欲求が高まっていた。

この様な「野球ゲーム飢餓状態」とでも言うべき状況下でリリースされたファミスタは、前年に発売された任天堂「スーパーマリオブラザーズ」が社会現象ともいえるブームになったことで老若男女問わず広範囲にわたる層にユーザーが拡大していたファミコンゲーム市場において大いに歓迎されることになった。

もっとも、ファミスタの成功はそれだけが原因ではなく選手ごとに名前と能力の個性があり、プレイヤーの感情移入を強化させた点や基本的な操作系統こそ「ベースボール」を継承しつつ野手の守備操作を可能とした点を始め「ベースボール」での不満点をことごとく解消した完成度の高い作品であった事や、ファミコン発売当時よりもROMカートリッジの大容量化・低価格化やプログラミング技術の向上により、高度なゲームが制作できる環境作りが整備された事情も大きい。

1作目の爆発的なヒットにより本作はシリーズ化。チームの追加、各種モードの追加、選手名の実名化、選手の選定や能力の変更、その他のマイナーチェンジを繰り返し、現在では野球ゲームの代表的存在として非常に広い世代に知られるゲーム作品シリーズとなっている。

以降はファミスタシリーズ#シリーズ概要を参照の事

1作目のチーム名一覧

1作目は、球団・選手に許可を入れるという発想もなかったためか、選手名は基本実名であるものの、球団名は架空の名称に変名されており、容量の都合から一部球団が連合チームとされている。

続編

1986年の第1作以降、ファミコンでは1994年まで全9タイトルが発売された。

プロ野球ファミリースタジアム'87

Template:コンピュータゲーム 1987年12月22日発売。基本的には1作目のマイナーチェンジ版となっている。主な改良点・相違点は以下の通りである。

  • 球団数が10→12に増加。但し、当時の実在12球団が出揃ったわけではなく、レイルウェイズからブラボーズ(Bチーム - 阪急ブレーブスがモデル)が独立しただけに留まっている。また、本作よりアメリカ大リーグのオールスターチーム・メジャーリーガーズが新たに加入。なお、プレイヤーが操作することは出来ないがデモ画面に限りオリエンツ(Oチーム - ロッテオリオンズがモデル)がフーズフーズとは別に登場する。
  • 打者のバッターボックス内での移動範囲が狭くなり、前作よりも投高打低になっている。
  • 打率・本塁打・防御率の表示が「AV→.(小数点)」「HR→本」「AV→防」にそれぞれ変更されている。
  • 前作から引き続き登場したピッカリ球場の収容人数が3万→4万に増加。

プロ野球ファミリースタジアム'88

Template:コンピュータゲーム 1988年12月20日発売。本作から新たに導入された要素や同年にアーケード・PCエンジンでリリースされた「プロ野球ワールドスタジアム」から逆輸入された要素が多い。

  • レイルウェイズ・フーズフーズの連合2チームが解消され、当時の実在12球団が完全独立。これにナムコスターズ・メジャーリーガーズを加えた14球団体制が確立される。なお、日本野球機構日本プロ野球選手会などに許可を得ずに選手名を使用することが問題視され、本作は選手名が前作より微妙に変えられている。
  • 投手枠が先発4・リリーフ2の6名に増加。また、アーケード版ワースタからの逆輸入要素で試合開始前にスターティングメンバーの打順変更が可能になっている(控え選手との入れ替えは不可)。
  • チームエディット機能が初めて搭載され、エディットチームはY(Yours)チームとして参加させることが可能になっている。但し、バッテリーバックアップ機能は搭載していないため電源を切ると作成データは消失する。また、パラメータの合計値に上限があるため突出して能力の高い選手ばかりを揃えたチームは作れないようになっている。
  • 球場が以下の4種類から選択可能になった(球場の広さ以外に試合を左右する要素は存在しない)。
  • スターティングメンバー中2名がランダムで「好調選手」になり、通常のパラメータよりも長打力がアップする。7回表・裏は「ラッキー7」扱いで全選手が好調選手に。また、セレクトボタンを押し続け、一周すると、「先攻びいき」「後攻びいき」が登場し、全員好調選手になる。
  • ライナー性の当たりを落球するエラーがPCエンジン版ワースタから逆輸入されている。
  • パスワードコンティニューが廃止されたため、優勝するためにはノーリセットで全13球団に勝利しなければならなくなっている。
  • 試合終了後の結果報告が架空のスポーツ新聞ナムコットスポーツから架空のテレビ番組・NAMCOT SPORTS NEWSに変更されている。また、ナムスポから引き続き、試合結果以外に、試合内容を査定した評価パラメータである「年俸」が表示される。

なお、通常の試合結果は複数名の女性キャスターが使用した球場ごとに登場するが、全チームに勝利して優勝した際は「トイポップ」のアチャがキャスターとして登場する。

ファミスタ'89 開幕版!!

Template:コンピュータゲーム 1989年7月28日発売。この年の前半に任天堂とナムコのライセンス契約更新が難航し最悪、決裂・撤退となる恐れが生じていたため契約期限内に駆け込みで発売された経緯がある。そのため「開幕版」と銘打っているが新人選手や外国人選手のデータには実際の成績から乖離したものも見受けられた。

なお、本作より略称であった「ファミスタ」が正式名称となっている(ただし、文献によっては「プロ野球ファミリースタジアム'89開幕版!!」となっているものもある<ref>大技林</ref>)。これに伴い、登場する球団が所属するリーグの名称も前作までの「ジャパンリーグ」から「ファミスタリーグ」に変更された。

  • プレイヤーが選択可能なチームは前作と同じ12球団+ナムコスターズ・メジャーリーガーズの14球団であるが、他の13球団に勝ち抜くとPCエンジン版ワースタからの逆輸入で往年の名選手により構成されるプロスターズ(PCエンジン版の「オールドスターズ」と同じ)と野球漫画に登場する架空の選手により構成されるオールドリームスが隠しチームとして登場する。
  • 球場は前作と同じ4種類で変化は無い。
  • 前作のチームエディットに代わり、野手8名・投手4名を作成して既存の選手と置き換える「プレイヤーエディット」機能が導入されている。なお、前作のチームエディットと異なりパラメータの合計値は存在しないため全ての能力を最大に設定した選手ばかりを作ることも可能である。
  • '87以来となるパスワードコンティニューが復活している。

ファミスタ'90

Template:コンピュータゲーム 1989年12月19日発売。7月に「'89開幕版!!」が発売されたため、本作より発売された年ではなく翌年の年号がタイトルに冠されるようになった。

  • 容量が前作までの2倍となる2MBに拡充され、5作目にしてバッテリーバックアップが搭載された。また、スイッチヒッターの登場(前作までは右打ち・左打ちのみ)や、サイドスロー投手が登場した(前作まではオーバースローとアンダースローのみ)。
  • それまでの勝ち抜き戦に代わってリーグ戦が新たに導入され、2〜6チームで各カード1〜9試合・最大45試合の範囲で設定可能になっている。イニング数も1、3、5、9回から自由に選べることができる。これに伴い、前作では隠しチームであったプロスターズ・アニメスターズ(オールドリームスより改称)も選択可能になっている。
  • 助っ人を登録でき(しなくても可能)リーグ戦を戦うことが出来た。(力、技、足の1〜9までのうち1つを選び、名前をつけることができる。代打一覧の一番下(四番手)と入れ替わる形で登録される。データは変更するかあたらしいリーグ戦をするまで有効)。
  • 本作特有の仕様として、打率が.304以上の打者がライナー性の当たりを打った場合、打球にラインドライブがかかり外野で失速するようになっている。このため、打率が3割未満の打者がライナー性の当たりを打った方が長打になりやすい。
  • 球場はどうむ・かせんじきの2球場が引き継がれ、以下の4球場が新たに登場している。
  • たからづか - 阪急西宮球場(当時)がモデル。両翼91m(ラッキーゾーン有)・センター119m。
なお、阪急西宮球場を本拠としていた阪急ブレーブスの前身・阪急軍は結成時の1936年に同名の宝塚球場を本拠としていたことがある。
  • ところざわ - 西武ライオンズ球場(当時、現西武ドーム)がモデル。両翼95m・センター120m。
  • ふえいふえい - フェンウェイ・パークがモデル。左翼95m・右翼92m・センター119m。
シリーズ初の左右非対称型グラウンド。レフト側の巨大フェンス「グリーン・モンスター」や極端に広い右中間も再現されており、以後のシリーズ作品でもファミスタオンラインの「モンスター球場」やファミスタDSの「がいこく球場」として登場する。
  • だいそうげん - かせんじき球場と対照的に外野フェンスが一直線なため、ホームランが出にくい(ランニングホームランは他球場より出やすい)。
  • この他、BGMがアーケード版ワースタと同じものに変更される等の細かい変更がある。

ファミスタ'91

Template:コンピュータゲーム 1990年12月21日発売。

  • 前作のリーグ戦が廃止され、'89以前と同じ、パスワードによる総当たり勝ち抜き方式が復活。
  • ホームラン競争モードが追加される。
  • 選手パラメータに守備力・肩の強さが追加される。また、投手の体力(スタミナ)の変動が投球数から打者数に変更され従来よりも完投しやすくなっている。
  • 球場は全て一新され、以下の4種類となっている。

ファミスタ'92

Template:コンピュータゲーム 1991年12月20日発売。

  • 選手パラメータに「人気」が追加される。これに伴い、以下のモードが追加されている。
  • 人気の高い選手は応援が特別仕様になり、ファンファーレとともに桜吹雪が登場。
  • 実在球団をモデルにした12球団を対象にした「オールスター」モード。
コーンリーグ(Cリーグ - セントラル・リーグ)ガイアンツ・タイタンズ・カーズ・ドラサンズ・ホイールズ・スパローズ
ポテトリーグ(Pリーグ - パシフィック・リーグ)ライオネルズ・バッカルーズ・ファイアーズ・ブルーウインド(前作までブラボーズ)・オリエンツ・ホーネッツ
但し、メンバーの選定は完全ランダムでプレイヤーが編成することは出来ない。
  • 守備位置や人気により複数チームを合併させてオリジナルの連合チームを作成出来る「れんごう」モードの追加。
  • 打撃練習・守備練習モードがそれぞれ追加。成績によって、監督のセリフが変わる。
  • 各球団ごとに、当時の監督の顔グラフィックが用意されている(ナムコスターズはパックマン)。タイム時や、打撃・守備練習、試合終了後のスポーツニュースに登場。
  • 従来は代打のみであった野手交替が代走・守備固めでも可能になっている。これに伴い、控え選手枠が5名に増加。
  • 前作までのプロスターズ・アニメスターズに代わり、V9時代の読売ジャイアンツがモデルのビクトリーズ(Vチーム)・1985年の日本シリーズ制覇時の阪神タイガースがモデルのダイナマイツ(Dyチーム)が加わっており隠しチームは廃止。なお、この2チームはスーパーファミスタにも登場するが選手名はそれぞれ戦国武将恐竜に変更されている。
  • 球場はかわさきが前作に引き続き登場し、ところざわが2年ぶりに復活。この他、以下の2球場が新たに登場している。

ファミスタ'93

Template:コンピュータゲーム 1992年12月22日発売。本作より日本野球機構(NPB)のライセンス許可が受けられるようになり、球団名・選手名が実名化されている(シリーズ全体では4月発売のスーパーファミスタが先行して実名化)。

  • 実名化に伴い、DH制が初めて導入された。パ・リーグ所属球団が後攻の場合は自動的にDH制となる。
  • メジャーリーガーズが消滅し、代わりに日本の球団に所属している現役外国人選手のオールスターチーム・オールアメリカン(AAチーム)が登場している。なお、この当時は外国人捕手が不在であったため、実際には内野手のマーティ・ブラウン広島)が捕手に設定されている。
  • 近鉄吉田剛の打席でスカイキッドの曲がかかるが、これは実際の試合の吉田の打席で流される応援歌の曲がスカイキッドであるためである。この曲は後の作品でナムコスターズのチャンステーマに使われている。
  • オールスターモードは前作のようなランダム仕様でなく、その年に開催されたオールスターゲームのデータを基にセ・リーグオールスターとパ・リーグオールスターが始めから用意されている。
  • この他、ゲーム本編とは無関係であるが以下のモードが用意されている。
  • 野球クイズ - 背番号と成績から選手を当てる。
  • 野球カード - トレーディングカード状の描き下ろしグラフィックと選手データが見られる。
  • 球場は以下の3種類。
  • じんぐうのもり - 明治神宮野球場がモデル。両翼91m・センター120m。
  • ろっこうさん - 阪神甲子園球場がモデル。'89開幕版以来の復活だが、ラッキーゾーンが撤去され両翼が96mに。
  • もくぞうドーム - 出雲ドームがモデル。両翼90m・センター110m。
  • 試合結果報告がテレビ番組から、新聞に戻った(題号はnamcotスポーツに変更)。
  • また、選手の体型が前作までに比べてスリム化している。

ファミスタ'94

Template:コンピュータゲーム 1993年12月1日発売。ファミコン版のシリーズ最終作。また、ファミコン最後の野球ゲームである。

  • 前作までの様々な機能を排除し、シンプルなゲーム設計になっている。また、選手の体型も前作のスリム化が不評だったためか'92以前と同じ丸みを帯びた体型に戻っている。
  • 前作に引き続きオールアメリカン(AAチーム)が登場しているが、やはり外国人捕手が不在のため、実際には外野手のメル・ホール(ロッテ)が捕手に設定されている。
  • スイッチヒッターの打席をプレイヤーが設定可能になった(タイム時にセレクトボタンで変更)。
  • 球場はじんぐうのもりが前作に引き続き登場している他、以下の2種類が選択可能。
  • うまかドーム - 福岡ドームがモデル。両翼100m・センター122m。
  • アクアリウム - 外野一面がガラス張りの球場。内外野とも土のグラウンド。両翼90m・センター110m。

脚注

<references/>

関連項目

外部リンク

Template:ナムコ野球ゲームen:R.B.I. Baseball fr:Pro Yakyū Family Stadium

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