バーチャルボーイ

出典: Wikipedio


Template:Infobox コンシューマーゲーム機 バーチャルボーイVIRTUAL BOY)は、任天堂が発売した3Dゲーム機。横井軍平が発案。略称「VB」。その外見から「赤い眼鏡」とも呼称された。1995年7月21日発売、希望小売価格15,000円。全世界累計出荷台数は126万台。

目次

詳細

スタンドに据え付けられたゴーグル型のディスプレイを覗き込むようにしてプレイする。視差の概念を採り入れ、左右の画面に異なる映像を表示させることで立体画面を実現した。テレビに接続せず電池で駆動するが、視界を覆う専用ディスプレイが必要となるため、室内のデスクトップでのプレイが主となる、特異なゲーム機である。

CPUPC-FXと同じNECV810を採用している。カスタムチップのV810は20MHzで動作し、浮動小数点演算処理ユニットも搭載している。サウンドはゲームボーイのサウンドとほぼ同じ。波形メモリ音源で、波形を32バイトPCMで変更できる。これを利用して短い声をPCMで発音できた。画面の解像度は384×224。色数は単色・赤色LEDによる赤~黒の4階調と少ないが、画面の明るさを32段階で調整できる。

十字キーを2つ搭載。アナログスティックなどを除けば方向キーを2つ搭載した家庭用ゲーム機は他に無い。

バーチャルボーイの名称はコピーライター糸井重里が名付けたという噂が広まっていたが、『ほぼ日刊イトイ新聞』のコラム「今日のダーリン」2007年7月10日付にて糸井自身が「『ゲームボーイ』と『バーチャルボーイ』のネーミングは、ぼくじゃありません」と否定している。

仕組み

バーチャルボーイの立体映像は、アメリカのベンチャー企業リフレクションテクノロジー社の技術を使って開発された。元々は、航空機の整備士などが大きく扱いにくい整備マニュアルをヘッドアップディスプレイのように専用ゴーグルに投影して作業を効率化するために利用されていた。

バーチャルボーイ内部には、384個(画像の横解像度と同じ)の赤色LEDを並べた1本のバーが配置され、対になった鏡が1枚装備されている。LEDバーは、Template:要出典範囲の間に一往復の周期で高速に振動する。振動する鏡が、LEDバーの光と同期して光を反射することによって、鏡の上に画像を映し出す。

この投影システムが、右目用と左目用に個別に用意され、左右の目の視差を利用した位置に配置されることによって、立体的な映像を作り出していた。赤色単色ながら、その映像の立体感は画期的だった。また、一部では、赤青緑の3色のLEDを利用すれば、フルカラー画像の再現も可能ではないかと考えられていた(2000年以降の一般的なLED技術であれば、フルカラー3D化することは可能)。

評価

プレイステーションセガサターンなど高性能ゲーム機が市場の話題をさらう中で発売され、一般にほとんど受け入れられないままわずか数ヶ月で消えた。事業失敗の原因としては「赤~黒のモノトーン映像でインパクトに欠け、映像メディアや印刷媒体での広報に限界があった」「身動きができないプレイスタイルや、プレイヤー以外に画面が見えないことなどから、試遊台での広報活動も効果的でなかった」「大勢でのゲームプレイを好む子供に受け入れられなかった」などが挙げられる。

売上げは非常に不振であったが、1996年3月期に任天堂は約1000億の経常利益を計上している。これは引き際が速かったことと、低コストであったこと、スーパーファミコンが引き続き好調だったことから、任天堂自体の業績への影響は軽微なものであったからである。あまりの失敗からコアなゲームファンの間では逆に有名な存在となっており、任天堂のゲームにおいても時折自虐ネタに近い形で登場することがある。

これ以前に任天堂はファミコン3Dシステムを発売していたが、表示方式は異なっており、関連性は低い。一般に「目に悪い」という説が流布していたが、画像に遠近感があるために焦点を上下左右のみでなく前後移動する必要があるので、逆に目の筋肉を鍛え目を良くするという研究結果も出ている。そのため医療分野での開発も計画されていた。

スティーヴン・スピルバーグはこのゲーム機を見て「すごいマシンだけど、カラーだったらもっといい」と述べた。横井軍平はバーチャルボーイを発売して成功を見届けて任天堂を円満退職するつもりだったとされる(その経緯の詳細は横井軍平#任天堂退職後を参照)。

このようなこともあって、以後の任天堂は3D映像に対応したゲーム機は据置・携帯ともに沈黙することとなり、ニンテンドーゲームキューブにも3Dディスプレイに対応させるための回路が組み込まれていたのだが、結局対応したゲームが出ることは無かった<ref>任天堂 2010年1月29日(金)第3四半期決算説明会 質疑応答 なお、この応答はバーチャルボーイ失敗の理由考察についても書かれており、ニンテンドー3DS発表少し前に行われたもののため3DSを示唆してしまうことは極力伏せられている。</ref>。立体映像のゲーム機というアイデアは、3D映像が普及・一般化し始め、かつ低コストのフルカラー化や裸眼での立体視が可能など技術的なハードルが下がった2010年のニンテンドー3DSで再び登場することとなる。

基本仕様

  • CPU:カスタムV810(20MHz)
  • RAM:1MB
  • SRAM:512KB
  • 画面:4階調モノクロ、384×224ドット、画面の明るさを32段階で調整可能。
  • サウンド:16ビットステレオ
  • コントローラ:ボタン6個(Aボタン、Bボタン、STARTボタン、SELECTボタン、Lボタン、Rボタン)、十字キー2個、電源スイッチ、電池ボックス付属
  • 通信ポート:これを使用する周辺機器は存在しない。海外版では削除。ゲームボーイのそれよりも一回り大きい。
  • 電源:単3電池6本使用。別売りのアダプタを利用すればファミリーコンピュータスーパーファミコン共用のACアダプタ(HVC-002)が利用可能。

周辺機器

thumb|200px|right|コントローラ(VUE-005) 型番などに見られるVUEは、Virtual Utopia Experienceの略で、バーチャルボーイのコードネームでもある。

型番 名称 備考
VUE-001 バーチャルボーイ 本体。
VUE-003 スタンド 本体を設置するためのスタンド。
VUE-005 コントローラ 専用コントローラ、前述。
VUE-006 カートリッジ 専用ロムカセット
VUE-007 電池ボックス コントローラの背面に接続して電力供給するボックス。
VUE-010 アイシェード 入射光をカットし、視認性を向上させる。
VUE-011 ACアダプタタップ HVC-002をバーチャルボーイで使用することが可能。電池ボックスとの排他利用である。
VUE-012 アイシェードホルダー アイシェードを固定するパーツ。
VUE-014 ステレオヘッドホン 本体と同色の赤いステレオヘッドフォン。
不明 アジャスタブルスタンド VUE-003の改良版、未発売<ref>Virtual Boy</ref>。
不明 通信ケーブル 日本国外版バーチャルボーイでの通信ポート廃止に伴い、発売中止。

バーチャルボーイのゲームタイトル一覧

全て1995年発売。日本で発売されたもののみ発売順に列記する。全19タイトル。末期に発売されたものは出荷本数が少ない。

この他に、日本国外のみで発売されたタイトルあり。Category:バーチャルボーイ用ソフトも参照。

脚注

<references/>

外部リンク

Template:Commons 公式サイト

ファンサイト

Template:家庭用ゲーム機/任天堂bs:Virtual Boy ca:Virtual Boy da:Virtual Boy de:Virtual Boy en:Virtual Boy es:Virtual Boy fi:Virtual Boy fr:Virtual Boy hr:Virtual Boy id:Virtual Boy it:Nintendo Virtual Boy ko:버추얼 보이 nl:Virtual Boy no:Virtual Boy pl:Virtual Boy pt:Virtual Boy ru:Virtual Boy simple:Nintendo Virtual Boy sv:Virtual Boy th:เวอร์ชวลบอย zh:Virtual Boy

個人用ツール