バチカン

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バチカン市国 から転送)

Template:Redirect Template:基礎情報 国 バチカン市国(バチカンしこく、Template:Lang-laTemplate:Lang-it)、通称バチカンは、イタリアローマ市内にある世界最小の主権国家ヴァチカンヴァティカンとも表記する。

目次

概要

[[File:Papa Benedetto.jpg|thumb|125px|left|ベネディクト16世 (ローマ教皇)]]

バチカンはローマ教皇庁によって統治されるカトリック教会東方典礼カトリック教会の中心地、いわば「総本山」である。バチカンの統治者ローマ教皇である。ローマ教皇庁の責任者は国務長官(Cardinal Secretary of State, 通常は枢機卿)、実際の統治はバチカン市国行政庁長官兼バチカン市国委員会委員長(Governor of Vatican City and President of the Pontifical Commission for Vatican City State 通常は枢機卿)が務めている。2007年8月時点で教皇はドイツ出身のベネディクト16世、国務長官はイタリア人のタルチジオ・ベルトーネ枢機卿、行政庁長官兼市国委員長はイタリア出身のジョヴァンニ・ラヨロ大司教が務めている。

バチカンという名称は、この地のもともとの名前であった「ヴァティカヌスの丘」 (Mons Vaticanus) からとられている。ここに教会が建てられ、やがてカトリック教会の中心地となったもともとの理由は、この場所で聖ペトロが殉教したという伝承があったためである。

公用語ラテン語であり、公式文書に用いられる。ただし通常の業務においてはイタリア語が話されている。また、外交用語としてフランス語が用いられている。また警護に当たるスイス人衛兵達の共通語はドイツ語である。

歴史

バチカンの地は古代以来ローマの郊外にあって人の住む地域ではなかったが、キリスト教以前から一種の聖なる地だったと考えられている。326年コンスタンティヌス帝によって使徒ペトロの墓所とされたこの地に最初の教会堂が建てられた。やがてこの地に住んだローマ司教が教皇として全カトリック教会に対して強い影響力をおよぼすようになると、バチカンはカトリック教会の本拠地として発展し、755年から19世紀まで存在した教皇領の拡大にともなって栄えるようになった。1860年イタリア王国が成立すると教皇領は接収されたため、ローマ教皇庁とイタリア王国政府が関係を断絶し、教皇は「バチカンの囚人」と称してバチカンに引きこもった。

このような不健全な関係を修復すべくイタリア政府とバチカンの間で折衝が続けられたが、1929年2月11日になってようやく教皇ピウス11世の全権代理ガスパッリ枢機卿とベニート・ムッソリーニ首相との間で合意が成立し、3つのラテラノ条約が締結された。

条約は教皇庁が教皇領の権利を放棄するかわりに、バチカンを独立国家とし、イタリアにおけるカトリック教会の特別な地位を保証するものであった。この措置はイタリア国民にも広く支持され、「教皇との和解」を実現したムッソリーニの独裁体制はより強固なものとなった。1984年になると再び政教条約が締結され、イタリアにおけるカトリック教会の特別な地位などのいくつかの点が信教の自由を考慮して修正された。

政治

[[ファイル:St. Peter's Basilica Facade, Rome, June 2004.jpg|right|thumb|200px|サン・ピエトロ大聖堂。]] 法的にはバチカン市国の政体は非世襲の首長公選制であるとみなされる。首長である教皇の権威はバチカン市国のみならず聖座全体におよぶものである。教皇は80歳以下の枢機卿たちの選挙コンクラーヴェ)によって選ばれる。教会法において教皇に必要な資格は男性のカトリック信徒であるということだけであるが、実質上は枢機卿たちの互選になっている。

「バチカン市国」と「ローマ教皇庁」は同義のようだが微妙に同義でない。例えばバチカン市国の最高責任者として行政庁長官 (Governor of Vatican City) が存在するが、ローマ教皇庁の実質的な責任者は国務長官がつとめている。国務長官 (Cardinal Secretary of State) はバチカン市国の外交部門の最高責任者でもある。立法権は教皇の任命によるバチカン市国委員会 (Pontifical Commission for Vatican City State) が持っている。委員会のメンバーの任期は5年となっている。

軍事・警察

right|200px|thumb|スイス人衛兵。 バチカン市国は一切の軍事力は保持していない。警察力スイスからの傭兵である「市国警備員(スイス人衛兵)」がいるものの、基本的にイタリアの警察に依存しているため、「別国」でありながら、実際の警備はイタリア国家警察(Polizia dello Stato)が行っている。

なお、公共に開放されている区域への入国は原則的に自由で、イタリアとの国境の管理や検疫は行われていない。2005年の教皇ヨハネ・パウロ2世の葬儀では各国から首脳貴賓が参列したものの、「市国警備員」だけでは対応ができないため、テロを警戒してイタリア軍がバチカン一帯の警備を行った。

教皇の衛兵としてスイス人衛兵が常駐している(2007年現在110人)。1505年1月22日に教皇ユリウス2世により創設され、1527年、ローマがカール5世神聖ローマ皇帝軍に侵攻された際(ローマ略奪)、身を犠牲にしてクレメンス7世の避難を助けた。現在はスイス国内でカトリック教会からの推薦を受けたカトリック信徒の男子が選ばれている。

その制服は一説にはミケランジェロのデザインとも言われるが、1914年に制定されたものである。スイス人衛兵たちは一応武器の携行はしているものの、本質的に儀仗兵である。1981年ヨハネ・パウロ2世が襲撃された事件以来、教皇が公の場に出て行く時、スイス人衛兵たちは催涙スプレーを常時携行するようになったという。

バチカン市国にはかつてはスイス人衛兵だけでなく、教皇騎馬衛兵宮殿衛兵といわれる衛兵隊が存在していたが、形式的なものになっていたためパウロ6世によって1970年に廃止された。

国際関係

概要

バチカン市国の成立した1929年以降、国際法上の主権国家となったことにあわせてローマ教皇庁の外交使節がバチカン市国の外交使節として各国に派遣され、同時に各国の外交使節を受け入れるようになった(以前から教皇使節が主要諸国に滞在してはいた)。現在、バチカンは174カ国の独立国家と、国際連合およびマルタ騎士団特命全権大使を受け入れており、179カ国の国と地域に大使あるいは外交使節を派遣している<ref>外務省</ref>。

東京にあるバチカンの大使館の名称は「ローマ法王庁大使館(イタリア語名:Nunzio apostolico in Giappone)」であり、在バチカンの日本国大使館は「在バチカン日本国大使館」である。ただし日本国大使館は実際はバチカン国内ではなく、バチカンに隣接するイタリアのローマ市内にある。

宗教活動の自由がなく<ref>「中国政府は言論・宗教を抑圧 米国が人権報告書」産経新聞Iza</ref>、教会を政府の管理下に置きつづける上に<ref>「政府の教会統制策、バチカンの許可なく司祭叙階」 AFP</ref>キリスト教関係者を逮捕、追放するなど弾圧を続けていること<ref>Voice of America 2006年5月17日</ref>を理由に、宗教の存在を否定する共産主義政党の一党独裁国家である中華人民共和国<ref>「中国が初の政党白書 一党独裁の正当性強調」MSN産経ニュース</ref>とは同国の建国以来国交を持っていない<ref>「バチカンとの国交樹立を妨げるもの」AFP</ref>。一方、中華人民共和国と対立関係にあり、宗教活動の自由が保障されている上に「反共主義」という共通姿勢を持つ中華民国とは国交を持っている。中華民国とバチカンの外交関係の歴史は古く、中華民国が中国大陸を支配していた第二次世界大戦中の1942年に確立されている。

また、かつて中国大陸東北部に存在した満州国とは、同国の建国以降崩壊までの間を通じて「反共主義」という共通姿勢を拠り所として国交を保ち続けていた。さらに、中華人民共和国と同じく共産主義政党の一党独裁国家のベトナムとも外交関係がない。

ロシアとは外交関係がなかったが、メドベージェフ大統領は2009年12月3日、ローマ法王庁(バチカン)を訪れ、法王ベネディクト16世と初会談した。会談後バチカンは、両者が1917年のロシア革命以来なかった外交関係樹立に合意したと発表した。

国際連合においては長らく「恒久的オブザーバー」というかたちで代表を派遣していたが、2004年7月に投票以外のすべての権利を持った代表となった。投票権を行使しないのは政治的に中立であるためであり、国連におけるバチカン代表のミリオーレ大司教も「投票権をもたないことは私たち自身の選択です」と語っている。

地理

275px|thumb|バチカンの領域。 Template:Main

国土

バチカン市国はローマの北西部に位置するバチカンの丘の上、テベレ川の右岸にある。その国境はすべてイタリアと接しており、かつて教皇を外部の攻撃から守るために築かれたバチカンの城壁に沿ってしかれている。面積は約0.44km²と、国際的な承認を受ける独立国としては世界最小で、東京ディズニーランド (約0.52km²) よりも小さい。その狭い領土の中にサン・ピエトロ大聖堂バチカン宮殿バチカン美術館サン・ピエトロ広場などが肩を並べている。

またラテラノ条約の取り決めに従って、バチカン市国外のいくつかの区域(カステル・ガンドルフォの教皇別荘、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂などの大バジリカ、教皇庁事務所など)でもバチカンの主権が認められている。

これらの中にはバチカン放送の建物も含まれているが、短波ラジオ送信所は国外のローマ市郊外にあり、その敷地内にはバチカンの治外法権が認められている。

観光客が入れる場所は、サン・ピエトロ広場、サン・ピエトロ大聖堂、バチカン博物館周辺のみである。

気候

バチカン市国の気候はローマの気候と同じで、地中海性気候の区域に属している。5月から9月は乾季にあたって少雨高温であり、10月から5月は雨季で冬は冷え込む。

経済

国家予算

バチカンの「国家予算」は2003年のデータで歳入が約277億円で歳出290億円となっている。主な産業として出版業、モザイク製作などがある。バチカンは国家というにはあまりに特殊なものであり、(下記にある「宗教活動協会」の投資運用は除き)利益追求の産業活動は行っていないため、「聖ペトロの献金」(Peter's Pence)として知られる世界中のカトリック信徒からの募金切手の販売、バチカン美術館の入場料収入、出版物の販売などによるものである。

宗教活動協会

また、第二次世界大戦中の1942年に、ピオ12世によってそれまでの「宗務委員会」から改組され設立された、バチカンの国家財政管理を行う組織である「宗教活動協会」(Instituto per le Opere di Religioni/ IOR、「バチカン銀行」とも呼ばれる)が、各国の民間の投資銀行を通じて投資運用し資金調達を行っている。上記の「国家予算」には、「宗教活動協会」の投資運用による利益は入っていない。

なお、1980年代前半までは、宗教活動協会の投資運用と資金調達を行う主力行としての業務はイタリア国立労働銀行の子会社のアンブロシアーノ銀行が行っていたが、1982年に、同協会のポール・マルチンクス大司教と、教皇の銀行家と呼ばれていたアンブロシアーノ銀行ロベルト・カルヴィ頭取のもとで起こったマフィアからみの多額の使途不明金スキャンダルの影響を受け同行が破綻し、カルヴィ頭取が暗殺されて以降は、ロスチャイルド銀行とハンブローズ銀行などが行っている。また、この事件は、映画ゴッドファーザーPARTIIIでも取り扱われている。

その他

バチカン職員の給与水準はローマ市の給与平均よりもやや良いといわれている。独自通貨をつくらないため、以前はリラが用いられていたが、イタリアがユーロに通貨を変更した2002年1月1日以降、ユーロが流通するようになった。なお、バチカン発行のコインはユーロ圏ならどこでも使用することが可能であるが、切手はバチカン市国以内での郵便物の投函にのみしか通用しない。

交通・通信手段

[[ファイル:St peters vat distance.jpg|thumb|right|200px|イタリア・ローマ市の「和解の道」からバチカン中心部を望む。]] Template:See also かつてはバチカンを取り囲むように古い住宅がごみごみと立ち並んでいたが、1920年代にイタリアの実権を握ったベニート・ムッソリーニラテラノ条約によるカトリック教会との和解を世界にアピールしようと、サン・ピエトロ大聖堂正面の家屋を大胆に撤去し、広い街路を敷いた。これが「和解の道 (Via della Conciliazione)」といわれるバチカン市国前のメイン・ストリートである。

バチカンには空港はないが、中型ヘリコプターが発着可能なヘリポートが一つある。鉄道は、イタリア国内のサンピエトロ駅から分岐してバチカン駅へ向かう863メートル(うちバチカン国内は227メートル)の鉄道路線がある。しかし、現在は定期列車は走っておらず、たまに貨物列車が入線するのみで、旅客輸送は行っていない。この鉄道路線はイタリア国内分も含めてバチカン国有のものであるが、列車の運行はイタリア国鉄が代行して行っている[1]

バチカンには独自の郵便局電話局がある。ローマ市民たちは国際郵便を出す場合、ローマ市内のポストに投函して地元局とローマ国際局を通すより、ちょっと歩いてでもバチカン市国内のポストに投函するほうが格段に早くつくということを経験的に知っている<ref>All About 天使が配達?!絵葉書送るならバチカン郵便局 バチカンの郵便ポストに手紙を投函するときは、うっかりイタリアの切手を貼らないように注意しましょう。</ref><ref>World News cafe 劣悪イタリア郵便事情の改善に 日本人が立ち上がった! 2002年4月1日</ref>。

ヴァティカン市国では独自のナンバーを使用しており、ローマ教皇庁が所有する自動車は「SCV」というナンバーがつく。この3文字の意味は「Stato della Città del Vaticano(バチカン市国)」の略である。

国民と国籍

バチカンの人口は826人(2009年7月推定値)<ref>CIA - The World Factbook -- Holy See (Vatican City) [2]</ref>であり、彼らはバチカンの城壁内で生活している。バチカン市民のほとんどはカトリックの修道者であり、枢機卿司祭などの聖職者と、叙階されていない修道士・修道女がいる。教皇庁で働く、修道者以外の一般職員は3000人にものぼるが、彼らのほとんどは市国外に居住し、そこから通勤している。またスイス人衛兵もバチカン市民である。衛兵の宿舎は市国内にあるが、市国外に住居を持って通勤している衛兵もいる。

外交関係は聖座教皇庁)との間で結ばれているため、バチカン市国独自のパスポートは存在しない。聖座の外交官や各省庁の官職にある者は、教皇庁の公用の必要がある場合に教皇庁のパスポートを取得することができる。いわゆる外交旅券に相当するものは、青色の表紙をしている。なお、一般のバチカン市民には市国パスポートは発給されず、必要な場合はイタリアの市民となる。

2003年末の時点でバチカンの居住権(いわゆる「市民権」あるいは「国籍」)を保持するものは552名に及ぶ。そのうち61人が枢機卿、346名が司教司祭などの聖職者である。101名がスイス人衛兵、44人が一般の職員である。すべての者がバチカンの居住権とあわせて従来の国籍も保持している。バチカン居住権は聖職者も含め、基本的にバチカンで職務についている期間に限って与えられる。教皇庁の職員の多数を占めるイタリア人職員たちには外交業務などにおいて特に必要がないかぎり、居住権は与えられない。また、バチカンの市民権は上記のように職務に対応する特殊な地位であるため、たとえバチカン市国内で出生しても出生地主義による国籍の取得はできない。

文化

バチカン市国は国自体が文化遺産の宝庫である。サン・ピエトロ大聖堂システィーナ礼拝堂など、ボッティチェリベルニーニミケランジェロといった美術史上の巨匠たちが存分に腕をふるった作品で満ち溢れている。またバチカン美術館バチカンの文書資料館には歴史上の貴重なコレクションが大量に納められている。バチカンは1984年に世界遺産に登録された(バチカン市国 (世界遺産)を参照のこと)。

バチカンに定住している人々は、カトリック教会聖職者国家という性格上男性がほとんどである。わずかな女性たちが職員として教皇庁で働くために二つの女子修道会が支部を置いている。バチカンで働く聖職者たちは枢機卿などの高位聖職者を除けばほとんどが修道会員である。

バチカンは聖地であるため、服装規定がある。特に女性は、観光客であっても、聖堂内に入るときなどに服装に気をつかうこと(ノースリーブの服なら上からなにかを羽織る、半ズボン禁止など)が求められる。

バチカンは巡礼者のみならず全世界から訪れる観光客でいつもにぎわっている。教皇は世界から訪れる信徒のために毎週日曜日には彼らの前でミサを執り行い、平日にも信徒と共に行う信心業謁見を行っている。復活祭などの特別な祝日にはサン・ピエトロ広場に姿を見せて世界に挨拶を送るのがならわしとなっている。

祝祭日

日付日本語表記現地語表記備考
1月1日元日(神の母聖マリアの祭日)
1月6日主の公現
2月11日ラテラノ条約締結記念日
3月19日聖ヨセフの祝日
3月-4月復活祭 移動祝日
5月1日労働者聖ヨセフの祝日
5月主の昇天 移動祝日
6月聖体の祝日 移動祝日
6月29日ペトロ・聖パウロの祝日
8月15日聖母の被昇天
11月1日諸聖人の日
12月8日無原罪の聖母の祝日
12月24日 - 12月25日クリスマス
12月31日大晦日

メディア

新聞として「オッセルヴァトーレ・ロマーノ」紙がある。これは教皇庁の公式紙であり、イタリア語版が日刊で、英語版、スペイン語版、フランス語版、ドイツ語版、ポルトガル語版が週刊で、ポーランド語版が月刊で発行されている。さらに公式ウェブサイト、ラジオ局、衛星テレビ局がある。

参考文献

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脚注

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関連項目

外部リンク

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