ハワイ州
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Template:Redirect Template:出典の明記 Template:基礎情報 アメリカ合衆国の州 ハワイ州(英語: Hawaii; HI、ハワイ語: Hawaiʻi、ハゥワァイイー<ref>先住ハワイアンの発音により近い表記として「ハワイイ」と表記することもある。</ref>)は、太平洋に位置するハワイ諸島にあるアメリカ合衆国の州である。漢字では布哇と書く。
ハワイ島、マウイ島、オアフ島、カウアイ島、モロカイ島、ラナイ島、ニイハウ島の7つの島と100以上の小島からなるハワイ諸島のうち、ミッドウェー環礁をのぞいたすべての島が、ハワイ州に属している。州都はオアフ島のホノルル市。
目次 |
歴史
先史時代
ハワイ諸島へ人類が移民してきたのは、4世紀から8世紀頃(史料が乏しくはっきりわかってはいない)で、南方のテ・ヘヌア・エナナ(マルケサス諸島)からと考えられている。この際に使用されたと考えられているのが、双胴の航海カヌーと、スター・ナヴィゲーションと呼ばれるリモート・オセアニア海域で広く用いられた航法技術である。ちなみにハワイへの移民がテ・ヘヌア・エナナから行われたとの説はビショップ博物館所属の日本人研究者、篠遠喜彦博士の釣り針編年研究が基礎となっている。
ハワイ王国時代
- 1778年:イギリス人キャプテン・クックが来航したのをきっかけに白人との接触が始まる。
- 1795年:カメハメハ1世(大王)が白人たちが持ち込んだ銃器を利用し、3つの王国が分立していたハワイ諸島を統一、ハワイ王国を建国する。
- 1820年:カメハメハ2世の治下、多くの宣教師がアメリカから移住し、キリスト教文化がハワイに定着していく。また、アメリカ人によるプランテーション農場のための土地の収奪がはじまる。
- 現在もハワイの女性の正装であるムームーは、上半身裸が普通であった往時のハワイの女性が、キリスト教的に"淫ら"だとして、宣教師が普及させたものと言われている。
- 1840年:憲法公布をして立憲君主制となる。
- 1843年:イギリスがハワイの領有を宣言。
- 1849年:フランスがハワイの領有を宣言。ハワイを巡る列強の抗争は激しくなる。
- 1881年:カラカウア王が来日し、明治天皇と会見し、明治政府との間で移民協定が結ばれる。
- 1885年:初の官約移民が日本からハワイに渡る。
- 1891年:リリウオカラニ女王が即位。
アメリカによる併合
- 1893年:アメリカ人農場主らが海兵隊の支援を得てクーデターを起こし、王政を打倒して「臨時政府」を樹立。この時、日本は邦人保護を理由に軍艦2隻をハワイに派遣し、ホノルル軍港に停泊させてクーデター勢力を威嚇した。「臨時政府」はアメリカに併合を求めるが、就任直後のクリーブランド大統領は海外進出に消極的な政策を採っており、併合を渋る。結局、クリーブランドは大統領の任期中、ハワイを併合しなかった。
- 1894年7月4日:アメリカによる併合に時間が掛かると判断した臨時政府は、新憲法を発布しハワイ共和国を宣言した。大統領はサンフォード・ドール。彼は最初で最後の、ハワイ共和国大統領となった。
- 1895年1月16日:ハワイ人王政派が武装蜂起したが短期間で鎮圧される。この武装蜂起を支援したとしてリリウオカラニ女王が逮捕・幽閉される。
- 1895年1月22日:リリウオカラニ女王廃位(ハワイ王国滅亡)。
- 1898年:アメリカ合衆国、ハワイ共和国を併合、ハワイ準州(米自治領)となる。アメリカの大統領は、前任者と対照的に帝国主義政策を推し進めたウィリアム・マッキンリーである。
- 1941年12月7日(日本時間12月8日):に、大日本帝国海軍による真珠湾攻撃が行われ、アメリカと日本との間で開戦した。
- 開戦後間もなくアメリカ全土に住む日系アメリカ人と日本人は強制収容所に収容されたが、ハワイに住む日系アメリカ人および日本人は、日本人会会長や僧侶など、日系人社会を代表する一部の人々を除き強制収容所に収容されなかった。これは当時、ハワイが正式な州でなかったこと、アメリカ本土から離れていること、そして何より、当時の人口の4割程度を占める日系人および日本人を強制収容すれば、ハワイの社会や経済活動が崩壊しかねないという事実が影響したようである。
- ハワイで生まれ育ち、合衆国の市民権を持つ日系アメリカ人の若者の多くは、自ら進んで志願兵となることで祖国に対する忠誠心を示そうとした。彼らハワイの日系人だけで組織された陸軍第100大隊は、後にアメリカ本土の日系人部隊と合流し442連隊となり、欧州戦線において多くの犠牲と引き換えに目覚ましい戦果を上げた。彼らの献身的で勇敢な戦いはすべてのアメリカ人に深い感銘を与え、ハワイのみならず戦後のアメリカ社会における日系人の地位向上に大きく貢献した。
- なお、日本軍による上陸と占領を恐れ、戦時中を通じてハワイのみで流通する特別なドル紙幣が使われた。
- 1959年:アメリカ50番目の州に昇格し、本格的なリゾート開発が始まる。
地理
Template:Main ハワイ州はアラスカ州とならび、アメリカ合衆国本土以外に位置する2つの州のうちの1つで、北米大陸上に位置しない唯一の州であり、四周を海によって囲まれて、また、熱帯地方に位置している唯一の州でもある。ハワイ島カラエ岬が全州の最南端部に位置している。(本土最南端はフロリダ州のフロリダキーズバラスト・キーen。参考→アメリカ合衆国の最端点en)
州の陸地面積は、キラウエア火山から流動性の高い溶岩が流れ出ているため、その面積は増加し続けている。ハワイ諸島は8つの島々や環礁によって構成されており、その延長は距離 2,400 km(1500 マイル)にわたって伸びている。諸島のうち、8つの大きな島は"主要な島々(main islands)"と考えられていて諸島の南東部に位置している。これらの島々は北西部から南東部順に、ニイハウ島、カウアイ島、オアフ島、モロカイ島、ラナイ島、マウイ島、カホオラウェ島並びにハワイ島である。
ハワイ諸島の島々は、海底火山によってつくられた。現在ハワイ島がある地点には、ホットスポットと呼ばれる火山活動の一つが太古から存在する。これはマントルの活動の結果として太平洋プレートよりも深い地中の一定の場所に存在し続け、直上の海底に向けて噴火活動を繰り返している。太平洋プレートは太平洋の中央海嶺である東太平洋海膨から日本列島・千島列島の方へ向けて移動し続けているため、太平洋プレート上(=海上)から見ると「かつてホットスポットの直上に出来たが、太平洋プレートの移動に連れて位置がずれて活動が停止した火山島」が北西へ向けて列をなしているのがわかる。北西に移動するにつれ、海底に沈みこみハワイ海山群及び天皇海山群となり、カムチャツカ半島の根元に至る。その海山と島の列の、最も新しい島々が、ハワイ諸島である。
ちなみに、ハワイ諸島は1年間に約8cm、日本側に向かって移動している<ref>プレートテクトニクスに伴う太平洋プレートの移動によるものとされる。</ref>。
交通
陸上
right|200px|thumb|州間高速道路H-1号線 right|200px|thumb|TheBus
- 主要な州間高速道路はオアフ島のみにH-1、H-2、H-3、及び2005年より州道78号線(通称:Moanalua Freeway)が高速道路に昇格してH-201となり、合計4路線となった。多くの主要なアメリカの都市と同じく、ホノルルの大都市圏は特にアイエア (Aiea)、パールシティ (Pearl City)、ワイパフ (Waipahu) 及びミリラニ (Mililani) の西方郊外から、ラッシュアワーの時間帯にかなりの交通渋滞が起こる。
- 鉄道はオアフ島の非営利団体・ハワイ鉄道協会の運行する鉄道(エヴァ~カヘ・ポイント)やマウイ島のさとうきび列車 (Sugarcane Train) など、観光用にわずかに残されているのみで、公共交通機関としての用はなしていない。オアフ島の西部が新興住宅地として急速に発展してきているのに対して、州間高速道路やバスのみでは慢性的な渋滞を引き起こしていることから、以前からモノレールを敷設する計画はあるものの、資金等の問題があり実現の目処は立っていないのが現状である。
航空
[[File:Hawaiian Airlines.Boeing 717-200.HNL.2009.JPG|right|200px|thumb|ハワイアン航空のボーイング717型機]] right|200px|thumb|ホノルル国際空港 ハワイアン航空やgo!およびモクレレ航空、アイランドエアーなどが州内路線を運行している。また、ハワイアン航空が州外、国際線を運航しているほか、アメリカ本土やアジア、太平洋諸国から多数の国際線が乗り入れている。
空港
定期民間旅客便が就航している州内の空港(特記しない限りハワイアン航空、go!およびモクレレ航空の定期便が就航)
- オアフ島
- マウイ島
- カフルイ空港 (OGG)
- カパルア・ウエスト・マウイ空港 (JHM) - アイランドエアーのプロペラ機が定期就航している。
- ハナ空港 (HNM) - パシフィック・ウイングのセスナ208「グランド・キャラバン」機が定期就航している。
- ハワイ島
- ヒロ国際空港 (ITO)
- ケアホレ・コナ国際空港 (KOA)
- 日本航空が成田国際空港から1日1便を運航している。
- カウアイ島
- ラナイ島
- ラナイ空港 (LNY) - 小型機が定期就航している。
- モロカイ島
- ホオレフア空港 (MKK) - 小型機が定期就航している。
船舶
2007年より、カウアイ島、オアフ島、マウイ島、ハワイ島の4島間を結ぶ「ハワイ・スーパーフェリー」が就航していたが、幾度かの休止を経て2009年8月をもって運航会社が破産、事実上の廃止となった。ただし、モロカイ島には通勤専用のフェリーが運航していた。
国立公園
国立公園局の管理及び保護下に置かれている地域は:
- Ala Kahakai National Historic Trail(ハワイ島)
- ハレアカラ国立公園(Kula)
- ハワイ火山国立公園(ヒロ)
- カラウパパ国立歴史公園(カラウパパ)
- Kaloko-Honokohau National Historical Park (Kailua-Kona)
- プウホヌア・オ・ホナウナウ国立歴史公園(ホナウナウ)
- Puukohola Heiau National Historic Site(Kawaihae)
- アリゾナ記念館(ホノルル)
人口動勢
Template:歴史的人口 2005年現在、ハワイ州は前年より、13,070人、または1.0%増加し2000年より、63,657人、または5.3%増加した、人口1,275,194人と見込まれている。これは48,111人(出生96,028人、死亡47,917人)と前回の国勢調査からの自然増並びに州内への移住者16,956人の増加が含まれる。アメリカ合衆国外からの移住は30,068人増加する事となり、合衆国内部の移住者は13,112人減少する事になる。ハワイ州の人口重心(Center of population)はオアフ島及びモロカイ島間となっている[1]。
民族構成
アジア系は40%を超す多数派となっている。またその中でも日系人が最も多くを占める。これは全てのアメリカの州で唯一のもので、さらに他の州で増加を続けているヒスパニックがほとんど存在しないことも大きな特徴である。なお、中国系の多くがその歴史的背景から中華民国(台湾)を支持するほか、ベトナム系の多くがベトナム戦争後に崩壊した南ベトナムからの亡命者とその子孫で、残りの多くもボートピープルとして亡命してきた者である。
- 白人:24.3%
- 黒人:1.8%
- 上記人種との混血、その他:約20%
日系アメリカ人
アジア系の住民のなかでも特に日系人が多く、出身国(民族)別では最多である。その影響もあってか、他の49州と異なり、仏教徒の比率が高く、寺院や神社も州内各所に点在する。また、オアフ島北東地域には、人口は少ないがモルモン教信者のコミュニティも存在する。
最初の日系移民は1885年2月9日にハワイに到着した。現在日系人は1世から5世までいるといわれている。3世以降の日系人の殆どは日本語が話せないが、単語のみを知っていることが多い。また、ハワイは日本人にとって人気の観光地であり、旅行会社などハワイ在住の日本人駐在員や留学生、別荘を所有し数カ月単位の滞在を行う長期滞在者も多く、その数は約2万人と言われている(領事館への届け出を行っている滞在者の総計であり、実際はもっといると思われる)。
日本にとって馴染み深い州であり、日本人観光客が多く、日本人観光客向けのビジネスが盛んなワイキキ周辺では日本語もかなり通じる。一般的にアメリカ国内の公的な場所での表記は英語、ついでスペイン語であるが、ワイキキ周辺では英語についで日本語となっている。ワイキキ周辺では、日系人以外でも簡単な日本語を理解できるものが多い。しかし聞き取りはできても話せないか、話せても(上手ではないから)使いたがらないという者も多い。なおホノルル以外や、ネイバー・アイランドと呼ばれる、オアフ以外の島では、都市部の日系人コミュニティを除き、日本語は殆ど通じないと考えた方が良い。
ハワイ先住民
純血の「先住ハワイアン (Native Hawaiians)」は現在かなり減少している。「先住ハワイアン」と言われる民族は、約10万人程度である。しかし、これらの人々の中でも純血と言える人は稀である。現在広く用いられているのは、1920年に成立した「ハワイ人住宅寄託法」で示された「キャプテン・クック来航以前にこの島々に住んでいた人々の血を50%以上引いていること」という定義である。先住民ハワイアンは州内人口の民族構成で3位に過ぎず、独自文化の存続を図るため、1980年にハワイ人問題事務局が設置された。
ちなみに、ハワイの伝統的な私立学校であるカメハメハ・スクールズは、先住ハワイアンの血を引く者のみしか入学できないというのが条件である。ただしこの入学規定は2005年9月の連邦巡回控訴裁判所において違法との判決を受け、現在も係争中である<ref>この判決には先住ハワイアンのみならずハワイ社会全体から広範な反発が起きている。</ref>。この背景として、カメハメハ・スクールズはカメハメハ1世の直系の子孫であるバーニス・パウアヒ・ビショップが、遺言によって設立した私立学校であり、公的な助成金を一切受けておらず、また彼女の遺言によって先住ハワイアンの教育を旨とすべきことが示されているという歴史がある。
カメハメハ・スクールズは2006年11月には上級審で逆転勝訴したが、敗訴した白人少年側は「カメハメハ・スクールズが入学を許可しなかったことで生じた学習の遅れに対する損害賠償」を求めて反訴する意志を示していると伝えられる。
ポリネシア人である彼らが伝統的に用いた言語がオーストロネシア語族に属する「ハワイ語」である。英語とともに公用語であるが、母語とする話者は少ない。しかし近年は地名表記などにおいて、ハワイ語発音での表記が増加している。
「先住ハワイアン政府再編成法」
2009年12月28日、「アメリカ合衆国下院天然資源委員会」は、「先住ハワイアン政府再編成法」を承認した。これは先住ハワイアンに対し、民族の自決のための政策決定権を認めるものであり、その認定事務および承認はアメリカ本土におけるインディアン、アラスカ・エスキモー、アレウトと同様に、アメリカ内務省によって行われる。「合衆国インディアン事務上院委員会」も、この「「先住ハワイアン政府再編成法」を承認した。
「天然資源委員会」内ではこの法案について、「先住ハワイアンによる民族政府の樹立は、合衆国憲法に違反する」とドク・ヘイスティングス下院議員を代表とする共和党員メンバーによって反対論陣が組まれてきた。
民主党員側では、ハワイ生まれのオバマ大統領を筆頭にとする多数の議員、また先住ハワイアンだけでなく、アラスカ議会代表団、アラスカのインディアン、エスキモー団体がこれを支持している。
政治と法律
州知事はリンダ・リングル(2002年 - )。ハワイが州となって以来40年以上民主党系知事が続いたが、初の共和党知事、また、初の女性知事となった。
日系約20万人、フィリピン系約17万人などアジア系住民が多い州であるため、州議会にもその住民構成は反映され、日系人の州議会議員も多く活躍している他、日系人の連邦議員もこれまでに数多く選出され続けてきている。
法律面では、州法で人種差別を禁止しており、アメリカの中でもアジア系を含めた非白人系の移民が多いことが窺い知れる。また、自然保護に関する法律は多いが、それを現実のものとするための資金が不足しているのも事実である。以前よりカジノ構想が議会で持ち上がり、資金不足の解消を試みるが、何度も可決されずに終わっている。現在の州法では一切のギャンブルが禁止されており、宝くじも販売されていない。そのためか、ハワイ州民の観光旅行先としてラスベガスは常に一番人気である。
州法
現在、ハワイ州においては、死刑制度は廃止されている。
地方行政
ハワイ州には次の5郡が置かれている。
- ハワイ郡 - ハワイ島全島
- ホノルル市及びホノルル郡 - オアフ島及び北西ハワイ諸島
- カラワオ郡 - モロカイ島のカラウパパ半島部(全米で最小の郡)
- カウアイ郡 - カウアイ島及びニイハウ島
- マウイ郡 - マウイ島、ラナイ島、カホオラウェ島各島全体、及びカラワオ郡を除くモロカイ島(同島の大部分)
祝日
現在アメリカ合衆国の版図となっている地域では唯一、西洋人にも認知された王朝が成立しており、それをアメリカが強制的に併合したこと、また現在の50州の中で最後に立州されたことという歴史的背景もあり、連邦政府が定める祝日(アメリカ合衆国祝日の項目参照)とは別に、下記の祝日が州独自に定められている。
- クヒオ王子誕生日(Prince Kuhio Jonah Kalanianaole Day) - 通称クヒオ・デー(3月26日)
- グッド・フライデー(Good Friday) - (イースター)
- カメハメハ一世誕生日(King Kamehameha I Day) - 通称カメハメハ・デー(6月11日)
- 合衆国編入記念日(Admission(Statehood) Day) - 通称アドミッション(ステートフッド)・デー(8月第3金曜)
なお、アドミッション・デーが祝日とされる代わりに、連邦の祝日であるコロンブス・デー(10月第2月曜)を、ハワイ州政府では祝日とみなしていない。
経済
2007年のハワイ州の州内総生産は583.07億ドル(約6兆円)である<ref>Gross Domestic Product by State</ref>。滋賀県(約6兆円)とほぼ同じ経済規模である。
主な会社など
かつてハワイ州の経済は「ビッグ・ファイブ」(Big Five)と呼ばれる、以下に挙げる大手砂糖会社を筆頭とする複合企業群によって支えられていた。これらの企業群は20世紀初頭に台頭し、1960年代に至るまでハワイ州の政治・経済を牛耳ってきた。しかし、1970年代に入り砂糖のプランテーションが次々に閉鎖されると、これらビッグ・ファイブの傘下にあった企業は他州の企業に買収・合併されていった。
- アレクサンダー・アンド・ボールドウィン(Alexander & Baldwin)
- キャッスル・アンド・クック(Castle & Cooke)
- C・ブリュワー(C. Brewer)
- テオ・H・デイビーズ(Theo H. Davies)
- アムファック(Amfac)
また、以下の企業もハワイ州に本拠を置いている。
主な産業など
軍需、観光、農業が3本柱であるが、農業についてはかつての隆盛からすると寂れたと言って過言ではない。但し、パイナップル生産については、かつてラナイ島単独で全米の生産量の90%、全世界生産量の75%を産出していたほどであり、ハワイ島のコナコーヒー(全米50州唯一のコーヒー産地)と並ぶ代表的産物である。
軍需については、州内に数多くの軍事基地を抱え、軍や関連産業による経済への影響は計り知れない。
観光については、年間6,699,424人、うちアメリカ国内からが4,902,270人、国外からは1,797,154人、そのうち日本からは年間1,160,732人(いずれも2008年。州政府経済局統計)が訪れる、国際的観光地であり、軍需と並びハワイ州の経済の屋台骨と言っても過言ではない。
離島であり、工業製品のほとんど、また燃料の全てを米本土からの輸入に頼る経済構造になっているため、平均物価は州単位では全米一高く、全米平均のおよそ1.5倍に相当する(2位はニュージャージー州の1.25倍)が、その一方で、平均年収は全米平均とほぼ同程度であるため、可処分所得は全米平均以下と言える。
教育
大学・短期大学
- ブリガムヤング大学ハワイ校
- トランスパシフィックハワイカレッジ
- Chaminade University of Honolulu
- ハワイ・パシフィック大学 - 道都大学との提携校
- University of the Nations at Kona
- ハワイ大学システム
- ハワイ東海インターナショナルカレッジ - 東海大学の海外教育機関の一つ。米国西地区学校・大学協会の認可(アクレディテーション)を受けた短期大学。坂口憲二がかつて在籍。
芸術・文化
文学
ハワイに於ける文学は、ジェームズ・ミッチェナーの『ハワイ』、ポール・セローの『ホテル・ホノルル』、イザベラ・バードの『ハワイ紀行』などのような、ハワイ諸島を舞台としたフィクション作品を指して呼称されていたが、近年はハワイ出身の作家による作品を指して呼称するように、その定義は変化しつつある<ref name="lp42">『ハワイ』(ロンリープラネット、ISBN 4-8401-1421-8、2005年、p.42)</ref>。
バンブー・リッジ・プレス社が出版する季刊誌Bamboo Ridgeは、地元現代作家の作品を掲載した文学誌で、1998年にアメリカ文学賞を受賞したNora Okja Keller、1993年にプッシュカート賞を受賞したLois-Ann Yamanakaなど、注目を集める作家が多数輩出されている<ref name="lp42"/>。
音楽
ハワイの音楽は伝統音楽やポップスなど豊かに発展してきた中、20世紀に創始された土着音楽として、ハワイアン・ポップスがある。この音楽はスティールギターや、西洋の機能和声など、本来のハワイの伝統音楽とは殆ど無関係であるが、現在ではハワイを代表する芸能の一つとして広く愛好されている。また古代から継承された芸能としてフラがある。多神教だった古代のハワイ人が祭祀として、またハワイアンは文字を持たないため、歴史の口頭伝承の一環として行っていた歌と踊りである。古代の形式に近いフラ・カヒコ(古典フラ)と、ハワイアン等の現代のポップ音楽を大幅に取り入れたフラ・アウアナ(現代フラ)に分けられる。フラ・アウアナはウクレレなどの演奏にあわせて踊られるが、フラ・カヒコにおいては歌あるいは太鼓などの打楽器のみを用いる。毎年4月には、ハワイ島のヒロで、「フラのオリンピック」とも呼ばれる競技会、メリー・モナーク・フェスティバル (Merry Monarch Festival) が行われる。
ハワイ独特の楽器として知られるウクレレは、19世紀にポルトガル移民が持ち込んだ楽器が原型と言われている。それにちなんでポルトガル人がハワイの移民局に移民登録を行った1879年8月23日にちなみ8月23日をウクレレの日と定めている。名前のウクとはノミ、レレとは跳ねるの意味である。
州歌は『ハワイ・ポノイ』。他に『ハワイ・アロハ』も広く愛されており、1976年に行われたホクレア号の最初のタヒチ航海では、出航の儀式でこの歌が歌われた。
アロハシャツ
アロハシャツの由来については諸説あるが、日系人が持ち込んだ和服の布地を転用したのが由来という説も有力である。なお、ハワイではアロハシャツは男性の正装とみなされ、州議会や公式の場でもアロハシャツ着用という姿をしばしば目にし、オフィス街であってもスーツ姿はさほど多くはない。ちなみに観光ガイドによれば、ハワイ内においてある程度格式あるレストランでも、アロハシャツ着用であれば正装として認められることが記されている(これは観光客がラフな服装でフォーマルな場所であるレストランで食事をすることを戒めた内容でもある)。
食文化
食文化については、アジア人や白人など地域外からの移民も極めて多い州らしく、各国からの移民が持ち込んだ多様な食文化が見られる。大皿に様々なオカズを並べて食べる「ミックスプレート(プレートランチ)」は、プランテーション農業時代に、各地の移民が持ち寄った食べ物をみなで分け合った名残である。
生魚の切り身を使った「ポキ」と呼ばれる料理がハワイ名物として知られる他、「パシフィック・リム・クイジーヌ」と呼ばれる、フランス料理の技法や日本料理の技法をもとに地元の食材を調理した料理も考案され、人気を集めている。近年では伝統的なポリネシアの食文化も健康の面から見直されており、「ポイ」と呼ばれるタロイモのペーストがあちこちで売られている。
特に人数の多かった日本人が持ち込んだ和食の影響は大きく、「Bento(弁当)」、「Shoyu(醤油)」、 「Teriyaki(照り焼き)」、 「Musubi(むすび)、(おにぎりの意)」など、日本語がそのまま現地語化したものも数多くある。ハワイに日本食が息づいていることは、第二次世界大戦の終戦直後に「ララ物資」を経由して、ハワイ産の醤油や味噌が日本へ贈られたことからも伺い知れる。
海洋文化
サーフィンはハワイが発祥の地とされており、古くはデューク・カハナモク、近年ではアンディ・アイアンズなどの名サーファーを輩出している。またハワイは1980年代以降、リモート・オセアニア海域各地で盛んになった航海カヌー文化復興運動でも主導的な役割を果たした。特に1975年に建造された航海カヌー「ホクレア」と、航法器具を一切使用しない推測航法技術を復活させたナイノア・トンプソンの活躍は広く知られている。
ロミロミ
ロミロミは、古代ハワイアンの医療として発達し、現代のリラクゼーションとしてアンティ・マーガレットがはじめて世に紹介した。
劇場
- ハワイ・シアター
美術館・博物館
オーケストラなど
- ホノルルシンフォニー
スポーツチーム
立地的に、4大プロスポーツ (NFL、NBA、MLB、NHL) のチームが存在した事は一度もない。 但し1980年から2009年まで毎年2月、NFLが、オールスターゲームに相当するプロボウルを、スーパーボウルの翌週にアロハ・スタジアムで行っていた。
なおメジャースポーツではないが、NFLのオフシーズンに行われるアリーナフットボールのプロチーム、ハワイ・アイランダーズがある。
大学スポーツ界では、州内ではハワイ大学が最有力であり、全米ランク2位になった事のあるバレーボールチームや、全米ベスト25に入ったことのあるアメリカン・フットボールチームが有名である。
また以前、オアフ島北東部にあるブリガムヤング大学ハワイ校には、2004年に日本人として初めてNBAでプレーした田臥勇太が在籍していた。
日本との関わり
日系人が多いこと、アメリカ国外からの観光客数国別1位であること、またかつては大相撲の力士(高見山大五郎、小錦八十吉、曙太郎、武蔵丸光洋)を輩出したことなどもあり、経済的、文化的にも日本とのつながりは強い。
なおハワイ州を訪れる日本人観光客は、1964年の海外旅行自由化以降増加を続け、1988年12月のアメリカ合衆国の観光ビザ免除以降増加に拍車がかかり、円高もあって1997年には年間約222万人とピークを迎えた。
その後、海外旅行先の多様化を受けて日本人観光客は漸減し、2001年のアメリカ同時多発テロ事件、2003年のSARS流行などの影響でさらに減少、近年の原油高による燃油サーチャージ導入も追い打ちをかけ、2008年1年間の日本人観光客数はピーク時のおよそ半分の年間116万人強程度となり、観光ビザ免除制度が導入されて以来最少となった。
しかし現在も、日本のフラッグキャリアで東京と大阪、名古屋から1日に6便を運航する日本航空やデルタ航空を筆頭に、日本とハワイには1日に11便から12便が運行されているほか、日本航空はハワイ島のコナにも1日1便直行便を運航するなど、依然として多くの日本人観光客が訪れている(なお日本航空は、地方からの乗り継ぎ客の利便性を高めることを目的に、2010年10月からコナ経由のホノルル便を東京国際空港(羽田空港)からの直行便に振り替えることを発表した<ref>アロハストリート「日本航空がホノルル=羽田線就航」2010年04月29日</ref>)。
「KZOO」という在留者・旅行者向けに日本語で放送を行うラジオ局、新聞「ハワイ報知」(静岡放送の子会社、読売系のスポーツ報知とは無関係)も存在する。テレビ放送は「KIKU-TV」で日本の番組が一部放送されるほか、地元のケーブルテレビを通じて「NGN(Nippon Gorlden Network)」を受信することで、テレビジャパンをはじめとする日本の放送が視聴できる。かつては、「KOHO」や「KJPN」という日本語ラジオ局も存在していたが、前者は20世紀末、後者は2007年までに放送を終えている。
日本の特撮番組である『人造人間キカイダー』、『キカイダー01』は1973年にハワイで初放送されて以来、現在も大変な人気を持つ。2002年4月12日にはハワイ州知事によって4月12日が「ジェネレーション・キカイダーDAY」に制定され、2007年5月19日にはマウイ島市長によって5月19日が「キカイダー・ブラザーズDAY」に制定されるなど大きな話題となった。
かつては日本のプロ野球チームのキャンプ地になる事も多かったが、現在州内でキャンプを行うチームはない。これに代わり、2005年には、JリーグJ2のザスパ草津と横浜FCがキャンプを行ったほか、2008年にはパンパシフィックチャンピオンシップ2008がアロハ・スタジアムで開催された関係でガンバ大阪がキャンプを行った。
日本の姉妹都市
日本 | 州内 | 年 |
---|---|---|
福岡県 | ハワイ州 | 1981年 |
沖縄県 | ハワイ州 | 1985年 |
鳥取県湯梨浜町(旧:羽合町) | ハワイ州 | 1996年 |
広島県 | ハワイ州 | 1997年 |
愛媛県 | ハワイ州 | 2003年 |
沖縄県名護市 | ハワイ州ヒロ市 | 1986年 |
愛媛県宇和島市 | ホノルル市 | 2004年 |
沖縄県那覇市 | ホノルル市 | |
広島県広島市 | ホノルル市 | 1959年 |
東京都八丈町 | マウイ島 | |
東京都大島町 | ヒロ(ハワイ島) | |
兵庫県洲本市 | ハワイ郡 | 2000年 |
山口県大島郡周防大島町 | カウアイ島(姉妹島) | 1963年 |
滋賀県守山市 | カウアイ島 | 1975年 |
その他
州の象徴など
- 州の鳥 - ネネ
- 州の木 - ククイ
- 州の魚 - フムフム・ヌクヌク・アプアア(過去公認され、一旦非公認となっていたが、2006年再度州の魚として公認された)
- 州のモットー - 「大地の生命は正義によって保持される」(ハワイ語:Ua mau ke ea o ka aina I ka pono)(英語:The life of the land is perpetuated in righteousness)
同州出身の有名人
- ナイノア・トンプソン - 先住ハワイ人の社会活動家、政治家。ポリネシアから失われていた推測航法を再興したことでも知られる。
- パッツイー・ミンク - 日系人としてのみならず有色人種の女性で初めてアメリカ国会議員になった。
- ダニエル・イノウエ - 日系人初のアメリカ上院議員
- バラク・オバマ - 政治家、第44代アメリカ大統領(民主党)。
- エディ・アイカウ- 先住ハワイ人のライフガード、サーファー。
- デューク・カハナモク - サーファー、水泳選手。オリンピック水泳競技で驚異的な強さを誇った他、サーフィンの大衆化に大きく貢献した。
- 高見山大五郎 - 大相撲元関脇、後の年寄東関、引退。
- KONISHIKI - タレント、大相撲元大関小錦
- 曙太郎 - 格闘家、大相撲64代横綱
- 振分光洋 - 大相撲67代横綱武蔵丸、年寄
- ベニー・アグバヤニ - プロ野球千葉ロッテマリーンズ外野手
- カート・スズキ - 日系人メジャーリーガー、オークランド・アスレチックス捕手
- 与那嶺要 - 元プロ野球中日ドラゴンズ監督、元プロ野球(東京讀賣巨人軍)選手、コーチ
- 若林忠志 - 元プロ野球(大阪タイガース、毎日オリオンズ)選手、監督
- 西田亨(ビル西田) - 元プロ野球(東京讀賣巨人軍、東映フライヤーズ)選手
- 藤猛 - 日系3世元プロボクサー。本名ポール・タケシ・藤井
- エンセン井上 - プロレスラー、総合格闘家、初代修斗ヘビー級王者。
- 太陽ケア - プロレスラー。
- ハーブ・オオタ(オータサン) - ウクレレ奏者
- キャシー中島 - タレント。マウイ島出身
- 伊藤由奈 - 歌手
- イズラエル・カマカヴィヴォオレ - 歌手
- ハワイアン・ホーム・ボーイ - アイランド・レゲエ・シンガー。マウイ島出生、マウイ島育ち。
- Shen - 歌手、元Def Techメンバー。中国生まれ、オアフ島育ち。
- ジェイク・シマブクロ - ウクレレ奏者
- ジャック・ジョンソン - 歌手
- 灰田勝彦 - 昭和前半期の歌手.
- ブラザートム - 歌手、タレント、バブルガム・ブラザーズメンバー。マウイ島出身。
- ニコール・キッドマン - 女優。
- ベット・ミドラー - 歌手、女優。
- melody. - 歌手
- アグネス・ラム - 1970年代後半に活躍したハワイ出身の女性アイドル。
- 長谷川潤 - モデル。ニューハンプシャー州出生、ハワイ島育ち。
フォトギャラリー
Hawaii waikiki beach 01.jpg
ワイキキビーチからダイアモンドヘッドを望む |
Hawaii alohatower 01.jpg
アロハタワー |
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Hawaii trolleybus 01.jpg
ツアーバスが数多く走行している。 |
注
<references />
関連項目
外部リンク
- 政府
- 日本政府
- 観光
- ハワイ州観光局 Template:Ja icon
- カウアイ観光局 Template:Ja icon
- オアフ島観光局 Template:Ja icon
- マウイ観光局 Template:Ja icon
- ビッグアイランド(ハワイ島)観光局 Template:Ja icon
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