ツォルンの補題

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ツォルンの補題(クラトフスキ・ツォルンの補題ともいう)とは、「任意の空でない帰納的順序集合(定義は後述)は、極大元を持つ」という定理である。数学者のマックス・ツォルンに因み、この名で呼ばれる。この定理は選択公理と同値である。帰納的順序集合(inductively ordered set)とはある条件をみたす順序集合であるが、もっぱらツォルンの補題の説明に用いられる。「順序集合 (X, ≤) が、帰納的順序集合である」とは、「X の任意の全順序部分集合が、X の中に上界をもつこと」を意味する。

抽象的な外観をしているが、大変有用な定理でもある。特に代数学においてしばしば用いられる。この定理から、例えば「全てのベクトル空間は基底を持つ」という定理を以下のようにして簡単に証明することができる。ベクトル空間 V が任意に与えられたとき、V一次独立な部分集合全体の集合 X は、包含関係 ⊂ を順序と考えて帰納的順序集合である。これの極大元の存在がツォルンの補題で示されるが、この極大元が V基底となっている。この証明を選択公理を直接に適用して行うのは難しい。

関連項目

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