コショウ

出典: Wikipedio


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コショウ(胡椒、学名:Piper nigrum)はコショウ科コショウ属つる性植物、及びその果実からなる香辛料のこと。インド原産。

目次

種類

画像:Dried Peppercorns.jpg
黒胡椒と白胡椒

ブラックペッパーホワイトペッパーがなどある。 ピペリン(piperine)という化学物質が胡椒に独特の風味を与える。

ブラックペッパー(黒胡椒)
黒胡椒とも呼ばれ、胡椒の木から取れた未熟な実を乾燥させたものである。世界中のどんな地域を旅しても、の隣にブラックペッパーの小瓶が並んでいると言われている。強い独特の風味があり、特に牛肉との相性が良い。
ホワイトペッパー(白胡椒)
完熟してから収穫した後、乾燥させた後に水に漬けて外皮を柔らかくして剥いたものである。ホワイトペッパーは、マイルドで魚料理等と相性が良い。
赤胡椒
カンボジアに存在する。

胡椒は、粉に挽いたものや、さらに塩と混ぜた「塩コショウ」として売られているものが多いが、本来の風味を愉しむなら、ペパー・ミルで、使うたびに挽くのが理想的である。ペパー・ミルは、使い捨ての「ミル付きコショウ」から、円筒形のボディに擬宝珠のようなハンドルの付いた、木製のしゃれたものまで、いろいろな種類がある。

香辛料として使われる他にも、タイ料理などでは、緑色の未熟な実を、食材として炒め物などに調理することもある。

産地

原産地はインド南西マラバル地方。現在ではインド、インドネシア、マレーシア、ブラジルが主な産地<ref>日本胡椒協会HP[1]</ref>。

歴史

胡椒は、強力な殺菌・抗菌作用が知られており、冷蔵技術が未発達であった中世においては、料理に欠かすことのできないものでもあり、大航海時代に食料を長期保存するためのものとして極めて珍重された。ヨーロッパの様々な料理に使われており、またその影響を受けた様々な料理でも使われている。このため、インドへの航路が見つかるまでは、ヨーロッパでは非常に重宝されていた。取引には、金と胡椒が同重量で交換された時代もあった。ゲルマン部族のリーダーであったアラリック1世はローマ帝国に侵略を控える代わりに、そして胡椒を貢物として要求した。

画像:Peppercorn-varieties.jpg
黒、白、緑、赤など様々な色の胡椒が作られる

日本には中国を経て伝来した。トウガラシが伝来する以前には辛味の調味料として現在よりも多用されており、うどんの薬味としても用いられていた。現在でも辛味の調味料としてさまざまな料理に用いられている(「胡椒茶漬け」という料理があったという記録もある)。

日本九州北部地方においては、南米原産の唐辛子の事を「胡椒」と呼ぶ事がある。一説には大陸(唐土)との交易で潤っていた地域では「唐枯らし」に音が通ずる「トウガラシ」の呼び名を避けたためといわれる。主に九州北部にて製造される柚子胡椒などは唐辛子を使って作る。P. nigrumは「洋胡椒」と呼び区別する。

栽培

通常は接木栽培であり、種から発芽させることは非常に困難である。高さは5~9メートルに達し、木質になるつる茎は、支柱などに巻きつけ生育させる。さし木3年目から少しずつ花房をつけはじめ果実をつける。果実はひと房に50~60個で7~8年で最盛期を迎え、以降15~20年間収穫できる。1本のつるからの乾物年収量は約2kgである<ref>日本胡椒協会HP[2]</ref>。

連作障害があり土壌により植物寄生性線虫が発生したり<ref>「ドミニカ共和国の胡椒栽培における植物寄生性線虫(植物線虫)」日本応用動物昆虫学会大会講演要旨[3]</ref>病害などにかかりやすく、南米での栽培では壊滅的な打撃が発生したことがある<ref>「ブラジル移民の100年 アマゾンのアグロフォレストリ」[4]</ref>。胡椒栽培は肥料代や労力のわりに価格が安く、放置される農園もある<ref>大阪府社会科研究会HP「胡椒栽培と放置胡椒園」[5]</ref>。

近縁種

同じコショウ属に属する東南アジア原産のヒハツP. retrofractum)も沖縄などで古くから香辛料として使われる。

日本本土ではフウトウカズラ(風藤蔓、P. kadzura)が神奈川県千葉県以南各地の海岸近くに自生するが、用途はない。

文学に現れる胡椒

脚注

<references />

文献情報

  • 「胡椒貿易と植付」大阪新報1921.2.8(大正8)(神戸大学附属図書館)[6]
  • 「胡椒:その栽培から利用まで」後藤隆郎(国際農林業協力協会編1983.2.)書誌情報[7]


外部リンク

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