クレジットカード

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クレジットカード

クレジットカードCredit card)とは、商品を購入する際の決済(支払)手段の一つ。又は、契約者の番号その他が記載され、及び記録されたカード型の証票等である。磁気ストライプによるものとICによるものがある。

クレジットカード会社が、会員に信用(credit)を供与するという意味で「クレジット」と名付けられている。

日本でのクレジットカードについてはクレジットカード (日本)を別途参照のこと。

目次

概要

クレジットカードは、利用できる加盟店で、商品の購入に際しクレジットカードを提示すると、いったんクレジットカード会社が加盟店への支払いを肩代わりし、後でカード利用者へ代金を請求する仕組みである。流れは以下のとおり。また、右図も参照されたい(ここではノン・オン・アス取引で説明する。また、信用照会(オーソリゼーション)は省略した)<ref name="crecajiten">『クレジットカード用語辞典』株式会社民事法研究会 2008年5月30日発行</ref>。

  1. カード利用者は、カード加盟店でクレジットカードを提示する。
  2. カード加盟店は、商品・サービスを、カード利用者へ提供する。
  3. カード加盟店は、商品・サービス代金の伝票を加盟店管理会社(アクワイアラー)へ回す。
  4. 加盟店管理会社は、商品・サービス代金から手数料を引いた額をカード加盟店へ一括で支払う。
  5. 加盟店管理会社は、取引情報を処理センターへ送る。
  6. 処理センターは、取引情報をカード発行会社(イシュアー)へ送る。
  7. カード発行会社は、手数料を上乗せして商品・サービス代金をカード利用者へ請求する。
  8. カード利用者は、商品・サービス代金をカード発行会社へ支払う。
  9. カード発行会社は、商品・サービス代金を加盟店管理会社へ支払う。

なお、カードの利用にあたってはクレジットカード発行会社へ信用照会が行われる。ここで承認が降りない場合(期限が切れている、限度額を超えている等)、クレジットカードを使用することはできない。

入会について

クレジットカードの会員になるためには、最初にカード会社の審査を受ける必要がある。審査の基準はカードの種類や発行会社によって異なるが、基本的には申込者の属性(職業や年収、信用情報等)を元に審査を行っている。

アメリカにおいては、クレジットヒストリーが非常に重要となる。そのため、現金を持っていてもクレジットヒストリーが無い、あるいは返済状況が悪ければ、クレジットカードの取得は困難となる<ref name="sinyoryokukakusa">岩田昭男『「信用力」格差社会』東洋経済新報社、2008年11月 ISBN 9784492222935</ref>。そのため、まずは与信を行わないデビットカード方式のクレジットカード(チェックカードと呼ばれることもある)である程度クレジットヒストリーをためた後、クレジットカードを取得することになるという<ref name="sinyoryokukakusa"/>。

なお、日本ではジェイデビット(J-Debit)が独自のデビットカードサービスを展開して普及させたため、デビットカードとクレジットカードは別物として扱われるが、米国などでは、デビットカードといえば「チェックカード」と呼ばれるデビット方式のクレジットカードを意味することが多い。

国際ブランド

VISA
世界的にはマスターカードと並ぶ2大ブランド。日本においては当初ビザ協会のみが加盟店を開拓したという経緯もあり、JCBの後塵を拝していたが、VISAインターナショナルが日本信販国際カードビジネス協会)にも直接ライセンス供与を行ったのを皮切りに、数多くの企業と積極的に提携を行った。現在日本でのシェアは2位である。
マスターカード(MasterCard)
世界的にはVISAと並ぶ2大ブランド。「Euro Card」と提携(2002年に吸収合併)しているため、ヨーロッパ、特にドイツ語圏などで強いと言われていたが、現在VISAが使える店舗ではMasterCardも使える(両陣営に同時加盟しているカード会社が加盟店開拓を行う)事が多く、どちらも大きな差はない。日本においては、ビザ・ジャパン陣営に属さない銀行系のカード会社にブランド供与を行ったり、積極的なCM攻勢と提携先を選ばないブランド供与を行ったりなどによって勢力拡大を図っている。
アメリカン・エキスプレス(American Express, AMEX)
カードのグレードに合わせ用意された豊富なサービスが特徴。「ゴールドカード」や「プラチナカード」、「ブラックカード(「センチュリオン」が正式名称)」の元祖といわれている。また、自社発行のカードにグレードに応じた利用限度額を設定していない(実際には顧客ごとに限度額は設定されている。問い合わせれば、限度額を教えてくれる)。実質の限度額を増やす条件には、支払い実績を作るか、資産の裏付けに応じること等があげられる。自社でカード発行を行うとともに、日本ではMUFGカードクレディセゾンに、香港ではイオンクレジットサービスの現地法人に対してもライセンス供与を行っている。ローマ兵士のカードフェイスで知られる。日本国内では自社加盟店の他、提携先のJCBの加盟店でも使用できるために、日本国内における利用可能店舗数は上記の2社にほぼ並ぶ。
JCB
日本発の国際ブランドであり、またユニオンペイ登場までは長らく世界で唯一アメリカ系ではない国際ブランドだった。アジア各国を中心に加盟店を増やし、韓国中華民国香港シンガポールマレーシアタイなどではVISAやマスターカード並みの加盟店があるが、免税店やホテルの様な日本人観光客をターゲットにした店を除けば手数料が高いと言う理由で使用を断られる事が多い(中華民国は比較的使える。)。またアメリカなどでは加盟店開拓業務でアメリカン・エキスプレスとの提携をおこなっている。ただし、相互開放ではないので、新たに後述のディスカバーカードとの相互開放が計画された。日本最大のカード会社のため国内での利用店舗数は最大規模を誇り、特に地方などではJCBしか使えない店も散在する。日本では自社およびJCBグループフランチャイズ)以外のカード会社にもライセンス供与(加盟店開放・ブランド発行会社)を行い、提携先を通じたカード発行も行われている。これらのカードも含め、2007年現在は日本でトップのシェアがある。
ダイナースクラブ(Diners Club)
「世界で最初に登場した」とされる汎用型のクレジットカード。殆どの自社発行カードに利用限度額を設定していない。また、ゴールドカード以下のグレードのカードは発行しておらず、入会時には高い属性が要求される。このためステータスが高いブランドの1つといわれている。ブラックカード(「ダイナースクラブ・プレミアムカード」が正式名称)が発行されている。長きにわたり独立系で加盟店は少なかったが、近年シティグループに属したことでMasterCardとの提携が実現し、日本国外における利用可能店は急速に拡大している。
ディスカバーカード(Discover Card)
アメリカ発、カード会員5千万人、加盟店4百万店以上。大半の加盟店はアメリカであるが、一部カナダメキシココスタリカミクロネシアマーシャル諸島カリブ海の諸国で加盟店開拓をしている。中華人民共和国ユニオンペイ・ネットワークと相互に加盟店を開放することで合意。中華人民共和国、シンガポール、タイ、韓国でも利用できるようになる予定。
日本国内では、2007年にJCBと加盟店を相互開放することで合意した。
ユニオンペイ・ネットワーク(Union Pay Network)
中華人民共和国を中心に広がっている決済ネットワークシステム。即時決済のため、実態はクレジットというよりデビット2002年3月に設立され、中華人民共和国内の銀行が加盟。中華人民共和国以外にもアメリカ合衆国、日本、シンガポール、韓国、タイ、ドイツ、フランス、オーストラリアなど約20カ国で利用できる。前述のディスカバーカードと相互加盟店開放に合意。
日本国内では、ディスカバーとの関係があるJCBではなく、VJAの加盟店で利用可能となっている。また、銀行によってはVISA/MasterCard/JCBとの複合タイプも発行されているため、それらについては当該ブランド加盟店での利用も可能。その結果、「VJA加盟店で使えるJCB」と「ディスカバー加盟店で使えるVISA/Master」が存在する、という不思議な状態が生まれた。

BINナンバー(カード番号)

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  • クレジットカードの番号は、VISA、MASTER、JCBなどでは16桁、AMEXは15桁、ダイナースは14桁となっている。
  • カード番号の番号体系はISOで決められている。
  • 国内専用カードの場合はISOではなく、その国の機関によって決められている<ref>ISO 7812(ウィキペディア英語版)</ref>。

限度額

通常、使用者の属性に応じてカードごとに利用限度額が定められており、日本では一般カードで5万~50万円、利用実績などによっては50万円超~100万円程度、富裕層を対象としたゴールドカードでは50万~300万円程度と属性や利用実績などによって開きがある。諸外国のカード会社では、限度額を月給のX倍相当額迄などと設定しているケースもある。

利用限度額と未払い債務(未請求の債務を含む)額の差が、その時点でのクレジットカードによる立替払いが可能となる金額となる。クレジットカードによって異なるが、小額なら利用限度額を超える利用ができる場合もある。 なお、事前の利用限度額を設けないとしているカードもあるが、カード会社側ではもちろん規定の限度額(与信枠)を管理しており、多額の利用をしようとすると承認が求められる。

なおコールセンターに利用限度額を上げるようにお願いすると、改めて審査が行われて利用限度額が増えることもある。このことを与信枠を増やす事から、「増枠」と呼ぶことがある。

また、海外旅行に行く場合や、国内であっても大きな買い物をする場合(一例としてはリフォーム費用、自動車修理費用など)、一時的に利用限度額を上げてもらうこともできる(申し込みの際は用途や期間を聞かれることが多い)。これは「臨時増枠」、「一時増枠」などと呼ばれる。

なお、一部のカードでは目的別(店舗別)に複数の限度額が設定されている場合がある(JALカードVIEWカードを参照)。過去には国際ブランドと提携したばかりのハウスカード(ハウスカードについては後述)で、自社店舗利用分と国際ブランドでの利用が分かれていたものも多かった。現在では決済システムの統合のために殆どなくなっている。

支払方法

クレジットカードにはさまざまな支払い方法が用意されている。

一括払い
その名の通り、1回で支払ってしまう方法である。一括払い専用のカードは、「チャージカード」と呼ばれる<ref name="crecajiten"/>。初期に生まれたクレジットカードは、一括払いであった<ref name="wagakure">『わが国クレジットの半世紀』社団法人 日本クレジット産業協会</ref>。
分割払い
手数料がかからない2回分割払いと、3~36回程度の分割払い(アドオン払い:利用額に利率を掛け、その総額を分割払いする方法)。高額商品を購入するときに有用な支払い方法である。カードが対応していても、店舗によっては取り扱えない場合もある。
リボルビング払い(リボ払い)
毎月決められた一定金額を支払う方法である。買い増ししても毎月の支払い金額が変わらないのが特徴。その代わり支払い回数が増えていく。加盟店が消極的なことがあるため普及していないが、逆にカード発行会社では増収を期待して、利用者向けにキャンペーンなどで奨励する傾向がある。また、店舗で一括払いと指定しても、支払いは全てリボ払いとなる「リボ専用カード」や、後日、ウェブや電話連絡によってリボ払いへ転換できるものもある。
ボーナス払い
ボーナスを当てにして支払う方法。ボーナス一括払いであれば最長6ヵ月、ボーナス2回払いであれば最長1年間も支払い猶予期間がある。なお、ボーナス払いを指定できる期間は決まっているので注意が必要(ボーナス時期の直近はボーナス払いができないなど)。
フレックス払い
フレックス払いはリボ払いの一種であるが、クレジットカード会社が定める最低の金額以上であれば返済額を自由に定めることができる。融通が利くリボ払いと考えると分かりやすい。
前払い方式
プリペイドカード方式のクレジットカード 性質的には電子マネーに近い。一般的には使い捨てのギフト用プリペイドカードとして販売されている。日本では販売されていない。

使用代金の支払サイト(締め日から引き落とし日までの期間)は、カードの種類や発行会社によって異なるが、月末締め翌月27日引き落としや、15日締め翌月10日引き落としなどの形がある。会社によっては(あるいはカードによっては)複数の支払日から選択可能な会社もある。

日本以外の国では、アドオン払いまたはリボルビング払いがあるものをクレジットカードとし、毎月の利用額を月ごとに全額払う(一括払い)カードをチャージカードと呼んで、クレジットカードと区別することがある。アメリカにおけるアメリカン・エキスプレスダイナースクラブの主要カードは、チャージカードである。カード会社は、利息ではなく、加盟店からの手数料、カード利用者からの会費や手数料(外国為替手数料など)、付帯サービス(旅行代理店業など)の売上などから利益を得ている。

カードの種類

プロパーカード
クレジットカード会社が他と提携せず単独で発行するカードである。
ハウスカード
限定された店舗、あるいはグループの中でのみ使えるカード。「ツケ払い」という側面でみれば、クレジットカードよりも歴史は古い<ref name="wagakure"/>。顧客の囲い込みが目的であるが他店では使えないため、利便性を高めるためにハウスカードから提携カードに切り替えるケースが多い。詳しくはハウスカードを参照。
提携カード
クレジットカードを発行している企業若しくは銀行が小売店などと提携して発行を行うもの。店頭でクレジットカードの申し込みを受け付けている場合は、ほとんどが提携カードだと思っていい。企業にとっては顧客の囲い込み、カード会社にとっては会員の開拓、会員にとってはプロパーカードのサービスに提携先の独自のサービスがつくといったメリットがある。提携カードは年会費無料であることが多いのも特徴である。
日本の提携カードについては別途参照のこと。

クレジットカードのグレード

カードのグレード分類は、日本国内においてはアメリカン・エキスプレスが行っている4段階分類を元に、他社のカードを位置づける場合が多いため、ここではその分類に従う。ただしシティカードジャパンが発行するダイナースクラブカードは一般カードが他社ゴールドカードと同等かそれ以上のサービスと利用限度額を設定している。

限度額、年会費などについては日本国内発行におけるものである。

一般カード

ラインナップの中では最も基本的なカード。利用限度額は利用期間にもよるが50~100万円程度まで上がるため、通常の買物といった目的であれば十分な決済機能を備えている。通常このグレードのカードの年会費は1000円程度、または無料で発行しているものも多い。カード発行会社によって「クラシックカード」「ベーシック」などの名称がある。

シルバーカード

上記の一般カードより年会費がやや高目(2000~3000円程度)で、保険やサービスが充実したグレードのカード。利用限度額は通常の一般カードと同じである場合が多いため、一般カードとほぼ同グレードに位置付けされる。ゴールドカードの下のグレードであることや、券面が銀色であることが多いことから「シルバーカード」と呼ばれる。

日本では、三井住友カードの「三井住友VISAクラシックカードA」や「三井住友VISAエグゼクティブカード」、三菱UFJニコスの「DCカードニューズ」、ジェーシービーの「JCBグランデ」、クレディセゾンの「UCカード セレクト」など。

ゴールドカード

Template:Main さらに多くのサービスが付加されるグレード。利用限度額は一般カードより高めに設定されており、初期与信で概ね50万円~100万円程度。発行会社によっては500万円という与信を与える場合もある。空港での有料ラウンジの無料利用やカード会社によるホテル娯楽施設の案内・予約代行等のサービスを利用できる。家族カードも1枚目は無料といったところが多く、旅行保険やロードサービスが無料といった特典がつくものが多い。年会費は5000~10000円程度。

また、収入が少なく信用度が低い20代向けの「ヤングゴールドカード」も存在し、機能や年会費は、概ねシルバーカード同様である。

プラチナカード

Template:Main ゴールドカードの特典をさらに拡大したランク付けのカード。このグレードのカードは発行会社が優良顧客に対して特別に付与するという位置付けである場合が多い。なお、旅行レジャーといった趣味のために使うことが前提であり(トラベル&エンターテイメントを略してT&Eカードと呼ぶ)、そのための付加サービスや保険等がゴールドカード以上に充実しており、電話受付によるデスクサービスは概ね24時間受付。

ゴールドカードで利用することが可能な空港ラウンジの利用無料はもちろんのこと、加盟する90カ国を超える国々における500を超える空港ラウンジが無料で利用できるプライオリティ・パスが発行されるものが多い。(要申し込みの場合がある。)

日本では、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(日本支社)の「アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード」、三井住友カードの「三井住友VISAプラチナカード」、シティカードジャパンの「シティ VISAプラチナカード」、トヨタファイナンスレクサスカード(レクサス車オーナー専用でVISAのみ)、クレディセゾンの「《セゾン》プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」、SBIカードの「SBIプラチナカード」、日興コーディアル証券「日興プラチナデビットカード」(発行元はトヨタファイナンス)などが発行されている。

ブラックカード

Template:Main 最上級のクレジットカード。カード発行会社による招待でのみ入会が認められ、特別に付与するという位置付け。

欧米においては黒はもっとも高貴な色とされており、券面の色が黒であるため、俗に「ブラックカード」と呼ばれる。年会費も下位グレードのカードに比べて高いが、利用限度額が比較的高額に設定される上、充実した旅行保険や、24時間対応の更にきめ細やかなコンシェルジュサービスが特徴。

日本においては「ダイナースクラブ・プレミアムカード」、「アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード」、SBIワールドカード等がこれに当たる。

法人カード

コーポレートカード

法人(主に大企業)を対象に発行される経費決済カード。利用極度額は法人または部署単位で設定されており、契約形態によるが法人側が任意にカードの発行枚数(利用者)を指定できる様になっている。また、キャッシング機能を付帯させる事も可能。

法人によっては社員にこのカードと後述の福利厚生カードの2種類持たせ、公私混同させないようにしている所もある。

主に接待費や出張費、消耗品購入など法人の経費を決済する際に用いられ、それらの費用はカード会社が立て替えるため、法人側は支払日まで現金を用意する必要が無く、カード利用分は経理担当などが明細によって利用者毎にどの加盟店で幾ら使ったか確認出来る。特にコーポレートカードは運送会社にとってメリットがあり、車両ごとにコーポレートカードの子カードを発行できるため、どの車両でいくらガソリンを使ったのか把握するのが容易になる。また、ゴールドカードに準ずるサービスの為、出張時の空港ラウンジや旅行傷害保険が無料付帯される等の利点がある。

ビジネスカード

個人事業者向けカード
日本の一部のカード会社による独自のカードで、先のコーポレートカードをアレンジして個人事業者向けに発行するもの。個人カードと同じく一般とゴールドのグレードが選べる様になっており、年会費が無料の場合もある。
福利厚生カード
福利厚生の為に法人に所属する者や職域生協の組合員に対し発行されるカード。ゴールドカードに準ずるサービスが付帯しているが、個人で契約するゴールドカードより限度額が低く一人当たり50万円~80万円程度である。また、法人の契約形態によってカード利用分は翌月の給与から直接天引きされるパターンも有る。
有名なものでは、ジェーシービー及び三菱UFJニコス国家公務員共済組合連合会(KKR)と提携し、組合員(退職者を含む)に発行する「KKRメンバーズカード」がある。
住信カードは、朝日新聞社と提携し、同社のアスパラクラブの会員にビジネスカードを“切り売り”し、年会費2500円で発行している。

歴史

アメリカ合衆国でも50年、日本で40年程度の歴史で比較的浅い。が、アメリカでは高額紙幣の信用が低く使いにくいこと(当局も対策に知恵を絞ってはいるものの、100ドル札が偽造される事が多い。偽札参照)、社会生活に必要不可欠な信用情報(クレジットヒストリー及びクレジットスコア)を構築する手段や、使用者自身の信用を証明する手段としてクレジットカードが最も一般的であること、日常的な消費に当たりごく少額の支払いであってもクレジットカードによる支払ができる等の理由により、クレジットカードの保持及び使用は一般的であり、生活する上で極めて重要なものとなっている。

アメリカ

  • 1950年 - 最初のクレジットカード会社ダイナースクラブがアメリカで設立。当初は手帳の様なチケット型であった。設立動機は「財布を忘れても惨めな思いをしなくていい支払い方式があればいいのに…」<ref name="wagakure"/>
  • 1951年 - フランクリン・ナショナル銀行がクレジットカードを発行
  • 1958年 - アメリカン・エキスプレス(Amex)がクレジットカード業務を開始、バンク・オブ・アメリカカード(VISAの前身)設立。
  • 1966年 - インターバンク・カード・アソシエーション(ICA)設立。ICA加盟銀行が発行するカードが、マスターチャージカード(マスターカードの前身)。
  • 1985年 - ディスカバーカード設立。

日本

イギリス

  • 1961年 - イギリスダイナースクラブ設立
  • 1966年 - バークレイズ銀行がクレジットカードを発行

アメリカにおける事例

2005年のカード情報流出騒ぎ

VisaやMasterCardのメンバー銀行(アクワイアラー)がデータ処理を委託(アウトソーシング)していたアリゾナ州のデータ処理会社CardSystemsから約4000万件のカード情報が外部に流出した問題が2005年6月18日に発覚、両社と提携している日本のカードでも流出データが発生し、流出情報を基にしたカードの不正使用も発生し、被害が出ている。影響はVisaやMasterCardに限らず、Amex、Diners、日本のJCBも情報流出、不正使用があった可能性があると発表され、これらのカード被害が世界中に広まっていることが分かった。

この問題の原因は、本来ならデータ処理会社が「保存してはいけないデータ」を保存していたことにあるとされ、そのデータをクラッキングされて流出したことが分かっている。

利用者側からの方策としては毎月の利用明細書をきちんと照合し、万一不正利用があった場合にはカード会社に申し出ることが必要となる(不正利用と認められれば代金は請求されない)。紛失の場合と同様に新たな番号のカードへ切り替え再発行の依頼も検討する。

2007年のサブプライム問題の影響

2007年サブプライム問題は、クレジットカード業界にも影響を与えた。サブプライム問題以降、カードの未支払いは増加し、貸し倒れは増加している<ref name="20080218nikkeibo">「不気味に迫るクレジットカード危機 個人消費を支えてきたカード業界にサブプライムが波及」『日経ビジネスオンライン』2008年2月18日付配信</ref>。

原因

貸し倒れ増加の背景には、「個人の返済能力の低下」「カード利用額の増大」が指摘されている<ref name="20080218nikkeibo"/>。

個人の返済能力の低下
サブプライム問題によって住宅の資産価値が失われたことは、
  • 住宅ローン等の個人の抱える債務の増加
  • 住宅を担保にお金を借りて、カードの支払いに充てる方法がとれなくなった
といった事態を招き、個人の返済能力は低下した<ref name="20080218nikkeibo"/>。
カード利用額の増大
2000年代の住宅バブルにより、個人が消費活動に対して寛容になった結果、カードの限度額いっぱいまで借金をすることさえも普通に行われるようになった。2000年代前半における、中流家庭の収入に対する債務の割合は、平均141%にまで上昇した。加えて、サブプライム問題以降は、日用品の買い物等の当座の資金繰りのために、クレジットカードを使用する人が増えているという<ref name="20080218nikkeibo"/>。

貸し手の対応

貸し手の企業には、貸し倒れの拡大を防ぐディフェンシブな対応と、防衛的な対応が増えたためにカードが作れなくなった人へ高利でお金を貸し付けるというアグレッシブな対応が出てきている<ref name="20080218nikkeibo"/>。

  • 貸し倒れの拡大阻止
銀行などの既存のカード業者は、「貸し付け金利の引き上げ」「貸付限度額の引き下げ」「新規申込者の審査の厳格化」によって、貸出額を制限し、これ以上の貸し倒れの拡大を防ごうとした。
  • カードを作れなくなった人への積極的な貸し付け
カードを作れなくなり、日々の生活における資金繰りが悪化した人のために、高利で貸し付ける企業が増えている。給与を担保に高金利(例:500%)で貸し付けるペイデイローン業者は、急速に業績を伸ばしている。銀行も20%前後の金利で預金の範囲内に限り貸し付けを行ったりするケースもある。また、質屋も繁盛しているという。

クレジットカードに関する注意点

財布にほとんど現金を入れておく必要のない便利なクレジットカードではあるが、いくつか注意すべき点も存在する。

カードの使い過ぎ
特に多いトラブルである。自分の収入・貯金以上にカードを利用してしまい、支払いが滞った場合、利用停止・遅延損害金の加算などのペナルティが科せられる事が多い。
キャッシングの利息は出資法による上限の29.28%であることもあり、思わぬ出費となることも考えられる。短期のキャッシングを別にすれば、本来クレジットカードは借金をするツールではない。支払いが生活を圧迫するようになった利用者は弁護士等に相談して債務整理する段階となり、任意整理(利息を付けず通常は3~5年くらいまでで分割返済する)か、個人再生自己破産によって債務を圧縮することになる。金融界のご意見番と呼ばれた小原鐵五郎は、「カードは麻薬」という言葉で警鐘を鳴らしている。
悪質な店舗による詐欺
本来の金額にこっそりと金額を上乗せしたり支払いの時にこっそり架空の取引を送信したりされることがあり得る。このため利用者は請求金額が正しいかまた店員が不審な事をしていないかなどを良く注視して確認する必要がある。カードを持って別室に移動する、等の行動をしたら要注意。特に使用者が酔っている時は危険である。
加盟店手数料の転嫁
加盟店手数料は本来は加盟店が負担するものであるが、これを客に負担させる加盟店が存在する。「クレジットカードをご利用の際には代金の5%の手数料をいただきます」と堂々と店頭やウェブサイトに提示していることもあるが、これは日本では加盟店規約違反である。カード会社に苦情を言うと手数料を返してもらえることがある。なお、オーストラリアなど、手数料(サーチャージ (クレジットカード)参照)は客持ちが多い国もある。
最低利用金額の提示
加盟店規約によって、利用金額の多少によってカード利用を制限してはならないことが決まっているが、店舗によってはそれを提示しているところもある。但し、飲食店などにおいて、ランチサービスのため利益率が低い、ランチ時間帯は混雑しているなど「価格の多少」以外の理由でカードが使えないのは、許されている模様である。
現金特価、各種割引サービス、ポイントサービスでの差別化
カード手数料を負担する必要があるため、たとえば現金支払いなら○○円、割引クーポン使用時はカード支払いは不可、現金支払いの場合は10%ポイント還元・カード支払いは8%、などというような店舗があるので、どちらがお得かを考えて支払う必要もある。なお、これらは加盟店規約では規制されていない。あくまでも「その店舗による販売価格に対して上乗せは認められない」だけである。
スキミング詐欺
カードの磁気データをコピーされ、磁気データが入った(店頭で使われる場合にはエンボスも入った本物そっくりの)偽造カードを作られ利用されてしまうこと。同じ場所で1800枚のカードがコピーされたこともある。カードを人の目に触れないように、また短時間でも触られないように保管・携行する必要がある。カード自体が盗まれていない場合は被害に気づくのが遅れがちである。
また近年ではスキミングがしづらい様に、ICチップを使用したものが増加して来ている。その他、三菱UFJニコスの発行する一部のカードなどでは万が一スキミングによって磁気ストライプ情報を盗まれても磁気ストライプ情報の一部を対応ATMなどで書き換えることによって被害を食い止めることができるサービスも用意されている。
フィッシング (詐欺)
偽のwebサイトにユーザーを誘導して、パスワードを盗む詐欺。クレジットカード会社がメールでカード情報を聞くことはありえない。カード番号、パスワード、有効期限、氏名等の情報をインターネット上で入力するさいは慎重に。SSLで保護されているかどうかも確認するとよい。
明細書等の悪用
カード犯罪被害を防ぐ基本は請求書を必ず確認すること。
近年は、取引明細にカード番号が印刷されないもの、あるいは伏せ字で印刷されるものがほとんどだが、以前はカード番号がそのまま印刷されてしまうものが多かったため、その番号と名義を悪用して、カード本体の必要のないオンライン取引などで不正にカードを利用される危険性があった。この悪用を予防するには、明細書を安全に処分、もしくは厳重に保管するのが一番である。
近頃では、安全のためにカード番号のみではなく、カード裏面に別に刻印・印刷されているセキュリティコードの入力が必要なオンライン取引なども増加している。また、それとは別に、事前にカード会社に登録したパスワードの入力が必要な取引も増えてきた。
カード番号等の流出
使用時にカード番号・セキュリティコード・有効期限・氏名を記憶・記録されてしまう可能性がある(ソーシャル・エンジニアリングの一種)。抜本的な対策が困難であり、セキュリティコード等を修正テープで隠す人もいる。サイン以外に電話番号等の記入を求められた場合、応じる必要はないとされている。
海外での利用
欧州等ではサーチャージ (クレジットカード)を請求されることがあり、またサイン以外に暗証番号の入力を求められることがある。国内でも、乗車券・金券等の購入には通常は暗証番号の入力が必要。また、国内では暗証番号を入力するケースが少ないため、海外で暗証番号忘れのためクレジットカードが使えなくなるという初歩的ミスもある。タッチペンでタブレット液晶にサインをすることもある。海外のATM・CDを利用する際はスキミング被害に注意。
パスポートとカードのサインを比べる店やホテルもあるので、サインはパスポートに一致させるのが無難である。通常、欧米人にとっては、サインは一種類であり、日本人のように、自分の名前の書き方がローマ字漢字平仮名片仮名、さらには横書き・縦書きなどと幾つもある国民がいることはほとんど理解されていない。場合によってはカード詐欺と勘違いされる事が起こり得るので注意が必要である。日本国内では、サインを確認しないことも多いが、海外ではサインを厳重に確認する事が多い。これは当然のことであり、不快感を示さないほうがよい。
本来、サインは同一性の確認ができれば何でも良い(名前でなくても良い)はずではあるが、よほどの事情がない限り、自分の名前のサインが無難である。漢字でのサインは海外でも通用するはずだが、「読めない」「比べられない」と敬遠されることも多い。カード裏面のサインと共に、ローマ字でのサインを求められることもある(これ自体は意味のない行為ではある)。海外旅行の多い人にはカードのサインをローマ字にしている人も多いが、日本国内で使用する際に、漢字のサインを求められる(これもまた意味のない行為)事もある。近年では漢字のサインの方が良いと言う意見もある。日本人の書く同じような筆記体のローマ字サインは、欧米人によって真似されやすいためである(一般に欧米人のサインは真似しづらく、読みにくいものが多い)。また、外見も似ており漢字も使うアジア系外国人などの犯罪者に真似されないよう、またローマ字筆記体風アレンジができて見栄えも良いという理由で、全部を平仮名にしたサインをする人も少なからず見受けられる(ただし、パスポートのサインには本名の平仮名を除き、全体を平仮名としたようなものは認められていない)。
海外では不正利用防止の観点から、独自のセキュリティーシステムを導入している場合があり、海外発行カードの利用を受け付けない場合がある。アメリカのセルフ式ガソリンスタンドでは、ZIPコード(郵便番号)入力による本人確認、また韓国では、韓国人なら誰もが持っている住民登録番号の入力を求められることが、自動券売機やインターネットサイトを中心に多々あり、海外発行カードが利用できない場合があるので注意が必要である。
「リボ払い」の落とし穴
元金の返済を小額に抑えたリボルビング払いは返済が長期間になりがちである。結果的に手数料の形で多額の利息を支払わねばならなくなる。最近は、後からリボ、リボ転、さらには一回払いのキャッシング→カードローンへのリボ転まで登場しているが、貸出額を増やすトラップと見ることもできる。利息を払えばその分可処分所得が減ってしまう。
金銭感覚の変化
カードそのものについての直接のトラブルではないが、クレジットカードを持つ事によって、実際には資金を持っていないにもかかわらず物品等の購入が可能となる為に、感覚的に自己精算能力が高まったと錯覚し使いすぎてしまうケースがある。
それは後日送付される請求書で初めて気づかされ、能力以上の買い物をしたつけは大きく、支払いの際の思わぬ出費を後悔する事となる。
ショッピング枠の現金化
ショッピング枠で換金性の高い商品を購入して業者に売ってお金を手に入れる行為。業者にピンハネされる上にカードショッピングの残高が残る。カード会社はショッピング枠の現金化することを禁止しているため、このようなサービスを利用すると強制退会処分を受けることもありえる。高額の取引の際は業者に氏名等の記入を求められることもあり、個人情報の流出につながる可能性もある。
名義貸し
人にクレジットカードを貸す行為。クレジットカードの支払いはカード会員本人にかかってくる。
名義冒用(めいぎぼうよう)
こちらは本人が知らない間に、勝手に第三者にクレジットカードを使われてしまうこと。 過失がなければ本人に支払い義務はないが、人にカードを無断で使用されたことを証明しなければならない。カードの管理に注意。

カード犯罪防止

クレジットカードは、使用の際には信用照会が行われる。

また、クレジットカード加盟店において詐欺、もしくは不正なカードではないか考えるに足るクレジットカードが行使されたとき、もしくはそう考えるに足るカードホルダーが現れたときに、ホルダーになるべく気づかれないようにカード会社に通報できるようカード会社が定めた符牒が存在する。

この符牒で通報を受けたカード会社は、加盟店の保護を最優先に処理を行い、専門のオペレーターが対応を行う。その際、なるべくホルダーに気づかれないよう状況の把握(Yes/No形式の質問)を行い、また必要な場合は、オペレーター経由で警察への通報などを行う。また、カード会社が直接カードホルダーに電話で質問する場合もある。

なお、加盟店から警察に通報することはまれであり、不審者を店舗が拘束する事はない。通常は「申し訳ないがこのカードは受け付けられない」と断られる程度である。但し、その時点で情報は全国・全世界の加盟店に通知される。

犯罪の実例:2006年7月、JCBの子会社であるJCS(日本カウンターサポート社)の派遣社員がクレジット機能付き郵貯カードの受付の際、顧客から暗証番号を聞き出し、現金を引き出し逮捕された。

その他

会員(カードホルダー)になると、決済(先延ばし払い)以外にも特典がつくことが多い。例えば、利用実績に応じたポイントサービス、旅行保険チケットの優待販売などである。また、海外渡航の際は身分証明書の一つとして支払能力の保証や信用保証が得られる場合もある(現金払いの場合は支払能力の証明にデポジット―保証金の前納を要求するホテルが一部にある)。カード会社によっては、累積ポイントの無期限化や交換景品、付帯サービスを拡充することによって会員サービスの向上を図っている。決済サービスそのものだけでは、他社との差別化ができないゆえの施策だが、その原資は会員から徴収する年会費や加盟店からの決済手数料によって賄われているに過ぎない。

短期に高利回りの運用が可能な場合には、クレジットカードで支払った代金の決済日までその資金を運用し、運用益を稼ぐ事もできるため、日本でもバブル崩壊期までは財テクの一つだった。日本の業者では少ないが、欧米では外国為替証拠金取引などにおいても、クレジットカードによる入金が可能な業者がある。

盗難や紛失などの場合は、発行のクレジットカード会社へ連絡すれば利用が停止され、被害の発生を最小限に抑えることができる。また、カード会社によってはカード盗難保険などをあらかじめ付帯しているカードも多い。これは被害者の利益を考えてのサービスではあるが、過去にクレジットカードやローンカードの第三者による不正使用が、特定の条件下ではカード所持者の責任ではないとの判決が出た<ref>消費者金融等に関する判例集(カードの不正利用と責任)</ref>ことや、預金者保護法が2006年に施行されたことなどの周辺環境要因により、カード会社側が未然に損失の限定を狙ってのことである。

日本では1990年代インターネットサービスプロバイダ料金の支払のために欠かせないものだった。これは当時、口座振替や払込書払いなどの決済手段が充実していなかったためである。

脚注

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関連項目

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ar:بطاقة ائتمان az:Kredit kartı bg:Кредитна карта bn:ক্রেডিট কার্ড ca:Targeta de crèdit cs:Kreditní karta da:Kreditkortbetaling de:Kreditkarte en:Credit card eo:Kreditkarto es:Tarjeta de crédito fi:Luottokortti he:כרטיס אשראי hr:Kreditna kartica hu:Hitelkártya id:Kartu kredit is:Kreditkort it:Carta di credito ka:საკრედიტო ბარათი ko:신용카드 lt:Kredito kortelė nl:Creditcard nn:Betalingskort no:Kredittkort pl:Karta kredytowa pt:Cartão de crédito ro:Card de credit ru:Кредитная карта si:ක්‍රෙඩිට් කාඩ්පත simple:Credit card sk:Kreditná karta sl:Kreditna kartica sq:Karta e Kreditit sr:Кредитна картица sv:Kreditkort ta:கடன் அட்டை th:บัตรเครดิต tr:Kredi kartı uk:Кредитна картка vi:Thẻ tín dụng yi:קרעדיט קארטל zh:信用卡

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