ばんえい競走

出典: Wikipedio


ばんえい競走(ばんえいきょうそう)とは、競走馬そりを曳きながら力と速さを争う競馬競走である。

現在、公営競技地方競馬)としては北海道帯広市が主催する「ばんえい競馬」のみ行われている。以下の項では、主に地方競馬としての「ばんえい競馬」について記述する。

目次

概要

Template:Wakumigi 世界で唯一、北海道でのみ行われている形態の競馬である。一般の平地競走で使われているサラブレッド系種などの「軽種馬」は使わず、古くから主に農耕馬として利用されてきた体重約800-1200kg前後の「ばんえい馬」(重種馬)が、騎手と重量物を積んだ鉄製のそりを曳き、2箇所の障害が設置された直線200mセパレートコースで走力と持久力を競う。

帯広市が主催する地方競馬としての「ばんえい競馬」のほか、一部地域では「草ばんば」(後述)も行われるなど北海道が生み出した独自の馬文化として定着しており、それらを含めて「北海道遺産」に選定されたほか、ばんえい競馬を題材にした映画「雪に願うこと」も製作された。

公営競技としてのばんえい競走

ばんえい競馬も地方競馬の一つであるが、競走の性質が全く異なるため、平地競走障害競走で行われている中央競馬や他の地方競馬、また外国競馬との人馬交流競走は行われていない。また、地方競馬全国協会(NAR)による競走馬の表彰などについても、平地とは別枠で『ばんえい最優秀馬』の部門が設けられている。ただし、NARが集計する地方競馬の全国リーディングジョッキーランキングでは、平地の騎手と混合して勝利数や賞金が集計されているほか、年度代表馬については平地の馬と同様に選出される可能性がある。

競走での人馬交流はないものの、ばんえい競馬の所属騎手がばんえい競馬のPR活動を行う為、業務として平地競走の競馬場に赴き、現役のばんえい競走馬と競走で使用されるそりを運び込み、ダートコースなどを使用してデモンストレーションの競走を行う場合がある。このような模擬競走は1973年大井競馬場で初開催され、その後も1978年宇都宮競馬場(現在は廃止)で、1983年には水沢競馬場で開催。近年では1991年船橋競馬場で開催されたほか、2001年にはフランスでも実施された。2006年5月20日・21日には、高島屋新宿店前と大井競馬場に現役のばんえい競走馬を登場させて大規模なPR活動を行った。

2007年度からは「馬の一発逆転ライブショー・ばんえい十勝」をキャッチフレーズとして、全日程を帯広競馬場で開催している。あわせて、夏季としては初めての本格的なナイター競走「ばんえい十勝ナイトレース」も開始した。ナイトレース期間中は各競走の発走時刻を3時間程度繰り下げ<ref>第1競走の発走時刻は概ね14時頃、最終競走は20時30分頃。発走時刻は1日の競走数により異なる場合がある。2008年度は最終競走の発走時刻が20時35分とされた。</ref>、日没前後からは走路沿いに新設したイルミネーションも点灯させてナイター気分を盛り上げている。なお、クリスマスから年末にかけての一部開催日は「プチナイター」として、最終競走の発走時刻を1時間程度繰り下げて開催している。<ref>通常、ばんえい競馬の最終競走発走時刻は17時前後が多い。ただ、冬季は日没が早く16時を過ぎると照明が必要になるため、以前より後半2競走が事実上「ナイトレース状態」であった。2007年度からはこの場合でもイルミネーションを点灯させている。</ref>

2009年度は4月25日に開幕し、2010年3月29日まで25回150日間の開催を予定している。「ばんえい十勝ナイトレース」は6月20日から9月21日まで7回42日間開催。2008年度より短縮されるが、その前後(5月9日から6月15日までと9月26日から10月19日までの合計5回30日)を薄暮開催とする予定。

帯広競馬場には馬場にヒーティング設備が施され、冬季でも馬場が凍結することなく競走が行えるようになった。これにより、従来は11月で終了していた開催期間を徐々に延長してきたが、2005年度からは長期の休催期間を設けない事実上の通年開催<ref>現在は3月下旬に閉幕後、次年度の開幕(4月中旬~下旬)まで3週間-1ヶ月程度休催している。</ref>を、北海道の公営競技では唯一実施している。

通常、ばんえい競馬は昼間開催時が土曜から月曜、ナイター開催時が金曜から日曜(月曜日が祝日の週は土曜から月曜)に開催、ホッカイドウ競馬は昼間開催・ナイター開催ともに火曜から木曜に開催するローテーションが組まれており、一部を除いて両者の開催日程が重なることがないため、道内では多くの場外発売所で両者の相互場外発売が行われている。詳細は後述

新馬券の導入

2010年1月8日より、重勝式投票券「OddsPark LOTO」を発売開始した(参照リンク)。同様の投票法は既に一部の競輪場で導入されているほか、他地区の地方競馬へも順次拡大。中央競馬でも今後導入が予定されている。

投票方式:五重勝単勝式(1日のうち指定した5競走の勝馬を予想)
発売:購入は100円単位で、オッズパークのインターネット投票会員限定。帯広競馬場や各場外発売所では発売しない。買い目はコンピュータが無作為に選ぶ「ランダム式」のため、自分で指定することはできない。
発売時間:開催日の前夜は18:00~23:30まで、当日は8:00から最初に発走する対象競走の締め切り時刻まで発売。
キャリーオーバー:的中者がいなかった場合は次開催日に持ち越され、払戻金の上限額は2億円となる。

存廃についての動き

2006年度までは帯広競馬場のほか、北見競馬場岩見沢競馬場旭川競馬場の4箇所を巡回して開催していた。1997年までは北見を除く3場で平地競走(ホッカイドウ競馬)が併催されていたが、1998年以降は旭川のみがばんえい・平地の併催となっていた。

2006年度は史上初めて帯広で開幕し、上記4場で順次開催されたが、売上の減少による累積赤字の増大から旭川市・北見市・岩見沢市が2006年度限りでの撤退を表明、残る帯広市も負担が大きすぎるとして単独での開催継続に難色を示したことから、ばんえい競馬の廃止が濃厚と見られていたが、ファンらの嘆願や寄付の申し出に加え、2006年12月13日にはソフトバンク子会社のソフトバンク・プレイヤーズが帯広市の単独開催に対する支援を申し出たことから、2007年度より帯広市が単独で開催を継続することが決定した。<ref>これについて農林水産大臣松岡利勝(当時)は「喜ばしいことだ。正式に要請があれば、スムーズに処理できるようにするし、できる限り支援したい」と述べていた。</ref>

これに伴い、2007年2月1日に一部業務を受託する運営会社「オッズパーク・ばんえい・マネジメント株式会社」が設立された。また、帯広市はファンなど個人・法人からの寄付もあわせて受け付けることとした。

2007年度は黒字を計上したが、2008年度の総売上は約115.5億円で前年より約10%余り減少し、当初予算比も97.2%となったほか、入場者数も前年より約6万人減少した(出典)。運営安定化の基金も使い果たし、存続は正念場を迎えている。

2009年度の総売上は約107.3億円で前年比約7%減となった。総入場者も約20万人で、前年割れが続いている(出典)。

2010年度は開催を継続するが、支援しているオッズパークでは年度途中の撤退もありえるとしており、情勢は引き続き予断を許さない。

総売上・入場者数がともに前年割れである一方で電話投票やインターネット投票が大きく伸びており、前述の重勝式馬券導入や道外での場外発売の拡充など、存続に向けた努力が続いている。

しかし、存続に向けての努力が続いている一方、上記のような影響もあって、賞金は高知競馬場を下回り、全国最低ランクになっている(最低1着賞金8万円/1着~4着までの賞金合計で10.5万円)。

草競馬・祭典競馬としてのばんえい競走

北海道や東北地方の一部地域では、主に地域の祭典などで「輓馬競技(ばんばきょうぎ)」が開催されている(「輓馬大会」「馬力大会」とも呼ばれる)。これらは「輓曳(ばんえい)<ref>公営競技としての「ばんえい競馬」でも、一部の専門紙でこの表記が使われている。</ref>」「輓馬(ばんば)」と略されることも多い。重量物を積載したそりを曳く競走形態は、公営競技とほぼ同様である。

輓馬(ひきうま、ばんば)と呼ばれる競走馬の操縦方式には、そりに乗った騎手1人で操る方式と、そりに乗った騎手と競走馬の口を引く伴走者(助手)の2人で操る方式がある。

公営競技を開催する競馬場

過去に公営競技を開催していた競馬場

歴史

ばんえい競馬の由来は、北海道開拓期に余興や催事として行われた、木材を運び出していた馬の力比べに起源を持つ。当初は2頭の馬に丸太を結びつけ、互いに引っ張りあっていたという。

明治時代末期頃から荷物を載せたソリを引かせる現行の競走方式が登場したとされ、確認できる最古の競走は、1915年大正4年9月16日函館区外で行われた十郡畜産共進会の余興として「挽馬実力競争」が、競馬場内の広場に長さ40間(約73m)の平坦コースを用いて、雪ゾリに一俵16貫(60kg)の土俵(つちだわら)を3-14俵集め、重しとして競走を行っている<ref name="Mate">『ホースメイト』 2007年7月号 日本馬事協会</ref>。その後も大正時代末期に亀田八幡宮(渡島国亀田郡亀田村)の境内や五稜郭公園の敷地内で行われたのをはじめ、全道各地で行われている。

公営競技としての歴史

太平洋戦争後の1946年地方競馬法施行規則第9条により、競走の種類は駈歩(平地競走)、速歩(速歩競走)、障害(障害競走)、輓曳(ばんえい競走)の4種類と定められたこと<ref>『地方競馬史』第二巻 地方競馬全国協会 1974年</ref>を受け、ばんえい競走が公式競技となった。ばんえい競走の採用には、徴用された軍馬が戦争で戻ってこなかったこと、また当時の食料不足もあり、馬の増産が急務であった理由が挙げられる<ref name="Mate"/>。

1947年10月16日には北海道馬匹組合連合会(馬連)によるばんえい競走が旭川競馬場において実施された。公式競技として初のばんえい競走であった<ref name="Mate"/>。

1948年新競馬法により、地方競馬都道府県もしくは競馬場の存在する市区町村が運営する公営に限られることとなり、同年は前年の興行不振もあって休催したが、1949年から道営競馬(現・ホッカイドウ競馬)により旭川と帯広で再開された。道営は当初、ばんえい競走の他に平地競走、速歩競走も行っていたが道営でのばんえい競走は1966年に廃止された。

平行して1953年に競馬場の設置されていた旭川市岩見沢市帯広市北見市による市営競馬が発足。市営も当初は平地とばんえいを行っていたが1962年にばんえいに一本化している。こうして1966年以降は道営競馬が平地競走、市営競馬がばんえい競走のみを開催する現在の開催形態となっている。

市営競馬は当初、4市が所在する各競馬場において個別に開催していたが、1968年に「北海道市営競馬協議会」が発足、1989年には一部事務組合として改組された「北海道市営競馬組合」が開催を引き継いだが、2007年に3市が撤退したため組合は解散、現在は前述の通り帯広市の単独開催となっている。

かつては青森競馬場でもばんえい競走が平地競走と並行して行われていたが、1951年に青森競馬場が廃止されたため、北海道外での公営競技によるばんえい競走はわずか4年と短命に終わった。

かつてのばんえい走路はU字型(馬蹄型)のオープンコースで行われ、最大出走可能頭数(フルゲート)も現在に比べ多かった。1963年に旭川が現在の直線セパレートコースを導入すると、5年後に岩見沢・帯広・北見も追従している。また障害もかつては3つあったが、1974年より現在の2つになった。

ばんえい競走馬の歴史

当初は軍馬として取引され馬産の中心であった中間種のアングロノルマン(アノ)や、産業馬としての需要が強かった重種馬のペルシュロン(ペル)が多く用いられた。戦後の馬産復興期にフランスからブルトン(ブル)が導入され、その中でも種牡馬グウラントンとペルシュロン繁殖牝馬の産駒が非常に優秀であったことから、戦後のアングロノルマンの衰退とともに、ペルシュロンとブルトンの混血が進んだ。

戦後、復興から高度成長期にかけてモータリゼーションの進展とともに産業馬としての需要がなくなり、生産頭数は激減した。1974年、橋本善吉<ref>橋本聖子の父、マルゼンスキー(サラ)の生産者・馬主としても知られる。</ref>によってアメリカ合衆国から初めてベルジャン(ベルジ)のマルゼンストロングホースが日本に輸入される。同年に輸入され、やはりばんえいの大種牡馬となったベルジャン種牡馬ジアンデュマレイと共に、産駒は従来のペルシュロン種・ブルトン種よりもはるかに大型でかつ軽快な脚捌きをみせ、さらに産駒の仕上がりが早く大活躍したことからさらに混血が進む。

現在は「半血」と称される前記3種の異種混血馬やそれらと在来種の混血馬が大半を占めており、純血種の馬はごくわずかになっている。<ref>2003年度以降の生産馬については純系種同士の配合によって生まれた雑種を一代に限り「半血種」とし、このほかは「日本輓系種」と呼称している。</ref>また、便宜上ばんえい競走に使用する馬を総称して「ばんえい種」と呼称することがある。

ばんえい種

  • ペルシュロン
  • ブルトン
  • ベルジャン
    • 半血種(上記3品種の純血種同士の混血)
    • 日本輓系種(半血・あるいはそれ以外の種との混血。かつては半血と表記していたが、2003年以降の生産馬はこう呼ぶことになった)

農用(輓系)馬の生産

農用(輓系)馬の生産は1955年以後、トラックや耕耘機などの普及に伴い飼育頭数が激減したが、食用(いわゆる桜肉)の需要が堅調に推移したことにより、生産頭数は1983年(7399頭)・1994年(8097頭)にピークとなったが、近年は生産頭数が大幅に減少し、2004年は3163頭まで落ち込んでいる。

地域別の分布をみると、2005年度の生産頭数2655頭のうち、十勝管内で761頭(28%)、釧路管内で652頭(25%)、根室管内で300頭(11%)と、酪農の盛んな道東の太平洋側で6割半ばが生産されている。次いで網走管内184頭、上川管内139頭、檜山管内111頭などの順になっている。北海道以外では岩手県の81頭、熊本県の70頭などが多く、桜肉の飼養・生産が盛んな九州での生産頭数は、すべてを合わせても104頭にとどまる。

生産農家の形態は、おおまかに分類すると以下の3通りに分けられる。

1頭飼養農家
酪農専業農家が1頭だけ農用馬を飼養する形態である。機械化以前はどの農家でも運搬と農耕の手段として馬を飼養していたため、その名残から1頭飼養する農家は非常に多い。これは、乳牛に比べて農用馬に掛かる手間が非常に少なく、かつ乳牛に与えるに耐えない品質となって収穫できない繊維質の多い2番草を与えても問題ないことから牧草地を有効に活用でき、さらに乳牛に比べて取引価格が非常に高く現金化の道が早い、などの利点があるためである。これらの馬はばんえい競馬の競走馬を目指して生産されることはなく、1歳市場での売却を目的に生産されており、馬産農家からよほどの評価を受けない限り、当歳秋市場または1歳市場に出される。
第2種兼業的飼養農家
酪農を中心としながら数頭の繁殖牝馬を飼養し、ばんえい競馬の競走馬生産を目論みながら生産しているが、競走馬生産のための大きなリスクを取ることはほとんどない。
専業または第1種兼業的飼養農家
ばんえい競馬の競走馬生産を主目的に農用馬を生産しており、手間の掛かる酪農を兼業する農家はほとんどない。

社団法人日本馬事協会の資料によると、2004年の生産馬3163頭のうち、戦前の日本三大市場(釧路大楽毛・根室厚床・十勝帯広)の流れをくむ十勝・釧路・根室管内で、当歳市場662頭、1歳市場990頭の取引が成立した。2006年に馬名登録された2歳馬は430頭である。なお、この統計上に現れない馬の多くは、十勝・釧路・根室管内以外の生産馬か、あるいは自家生産した牝馬をそのまま繁殖牝馬として飼養しているケースのいずれかと考えられる。

農用(輓系)馬生産農家のお祭りとして行われる「草ばんば」には、繁殖に入った自家飼養馬のほか、現役の競走馬や、競走馬を目指す1歳馬も多数集まる。1歳馬が草ばんばに大挙出走するのは競走能力を見極めるシステムが少ないためで、軽種馬ではみられない特徴でもある。

草ばんばでの負担重量はおおむね330-350キロ。各地の草ばんばで優秀な成績を収めた1歳馬は、毎年10月中旬にばんえい競馬の競馬場で行われる「祭典ばんば1歳馬決勝大会」に出走し、ここでの成績が大きな参考資料となることから、競走馬としてデビューする前に大がかりに能力を判定できるシステムとして機能している。

デビューから引退まで(公営競技)

ばんえい競馬の競走馬は2歳からデビューする。<ref>2007年度からは定年制が撤廃された。2007年度番組編成要領</ref>

デビュー前の2歳新馬や、デビュー後も成績が不振な馬には「能力検査(能検・専門紙では能試とも呼ばれる)」が義務付けられ、これに合格しなければレースに出走できない。とくに新馬の能検は約1/6の馬しか合格できない狭き門で、見守る生産者や馬主の視線も熱を帯びたものとなる。なお、不合格馬は各地で観光馬車を曳いたり農耕馬として転出する場合もあるが、多くは食肉用に転用される。

競走成績が優秀だった馬には、引退後も種雄馬(平地競馬での種牡馬にあたる)への道が開かれる。

公営競技の馬名登録

ばんえい馬の馬名には、現役の平地競走馬や過去に平地で登録されていた馬名と同名の馬が時折みられる。これは平地と全く形態が異なる競馬であり、馬の種類も異なるため血統上の混乱を招きにくいことから認められている。

公営競技のレースと勝敗

ばんえい競馬は、途中に2つの障害を設けた直線200mのセパレートコースを使用し、フルゲート10頭で争われる。障害の大きさなど詳細は帯広競馬場の記事を参照。

セパレートコースで争われるため、他馬への進路妨害などで審議となるケースも少ないが、レースに不慣れな2歳馬の競走では極めて稀に発生することがある。

ゴールインはそりの最後端が決勝線を通過した時点で認められる。これはばんえい競馬が元来「荷物を運びきる荷役作業」に由来していることと、決勝線上で馬が止まってしまうことがあり、鼻先では決勝判定が難しい場合があるためである。

上記のとおり、鼻先(先端)で勝敗を決める平地競走や障害競走、及び他種公営競技競輪競艇オートレース)とは異なり審判の決勝判定も難しく、かつては審判に関するトラブルが絶えなかったが、写真判定やVTRを導入し、判定の正確さは飛躍的に向上した。決勝判定写真は平地競走などと同様にスリットカメラ方式を採用しているが、決勝線上で馬が立ち止まったりすると、馬の胴が異様に長く伸びて写る場合がある。

運びきったそりはレース後、コース脇のトロッコに載せられてスタート位置まで戻される。

成績は1着から最下位まですべて走破タイムのみで発表され、平地競走のような着差は表示されない<ref>ただし、一部では2着以下を1着馬とのタイム差で表示することがある。</ref>ほか、レコードタイム制度も設けられていない。

タイムオーバー

以下の条件に該当する馬はタイムオーバーとなり、当該レースは失格となる。

重賞・特別競走
スタートから10分(3位入線馬が7分以内に入線した場合は3位入線から3分)を超えて入線した場合
一般競走
スタートから8分(3位入線馬が6分以内に入線した場合は3位入線から2分)を超えて入線した場合

公営競技のクラス編成(2010年度)

ばんえい競馬のクラスは馬齢(原則として「2歳」「3・4歳」「5歳以上」。競走条件により一部例外あり)と番組賞金によって分けられる。

3・4歳をひとつのクラスとして編成しているのは、3歳馬や4歳馬が5歳以上の馬に比べ能力的に劣るとされているためである。

収得賞金の算定方法(2010年度)

以下は帯広市ばんえい競馬番組編成要領に沿って記述する。

  • 収得賞金(「本年賞金」とも呼ぶ場合がある) : 競走に出走し馬主が獲得したレースの賞金額から1000円未満を切り捨てて算出。ただし、2007年度と2010年度は競馬番組で示した賞金額をそのまま算入する。
  • 通算収得賞金(「番組賞金」とも呼ぶ場合がある) : 2007年度以降の収得賞金を合計して算出。

2歳

当該年度の収得賞金順にA・B・C・Dの4段階で格付け。

3歳以上

通算収得賞金が100万円以上の馬は、以下のように格付け。

オープンA1A2B1B2B3B4

3・4歳馬で通算収得賞金が100万円未満の馬は、以下のように格付け。

C1C2C3C4

収得賞金は、主に組を編成する場合に利用される。

開催回次により、収得賞金順に組を編成する場合と、通算収得賞金順に組を編成する場合がある。 これは毎回通算収得賞金順のみで編成すると同じような組み合わせの競走が多くなることから、レースのマンネリ化を防ぐためである。

2006年度までは4月~12月まで通算収得賞金順に組を編成し、1月~3月までは収得賞金順に組を編成する傾向にあった。なお、ばんえい競馬では他の地方競馬と異なり、組はレース名に記載されない。

重量(公営競技)

そりに載せる荷物(重量物)の重量(ばんえい重量)は最低490kg(牝馬は470kg)。開幕直後は概ねばんえい重量が軽めに設定され、シーズン後半になるにつれて徐々に重くなっていく。これはいきなり重量を重く設定すると、完走できなかった馬が自信を無くしてしまうためである。

高重量戦を得意とする馬はシーズン後半に好走する例が多い一方、高重量戦を苦手にする馬は比較的重量が軽いシーズン前半に好走する例が多いなど、馬券(勝馬投票券)検討においては重要な要素でもある。

重賞競走「ばんえい記念」では、最高重量1000kgが設定されている。詳細は当該記事を参照。

専門紙やスポーツ新聞などでは、このばんえい重量が「重量」欄に掲載されている。ただし、一部ではスペースの都合から一桁省略して「重量(×10kg)」と表示される場合がある。騎手の重量は一律に設定されている(後述)ため発表されない。

ばんえい重量に関する規定(2010年度)

一般競走では各クラス別に以下の基礎重量が定められており、これに収得賞金などの別定条件を加味して加減される。
重賞競走・特別競走では各競走ごとに基礎重量が定められ、これに別定条件を加味して加減される。

3歳以上

格付けオープン400万
未満
320万
未満
250万未満160万未満
250万
未満
200万
未満
160万
未満
130万
未満
第1回-第5回680kg670kg660kg650kg640kg630kg620kg
第6回-第10回690kg680kg670kg660kg650kg640kg630kg
第11回-第15回700kg690kg680kg670kg660kg650kg640kg
第16回-第20回710kg700kg690kg680kg670kg660kg650kg
第21回-第26回720kg710kg700kg690kg680kg670kg660kg

3・4歳

格付け100万未満50万未満
100万
未満
70万
未満
50万
未満
30万
未満
第1回-第5回600kg590kg580kg570kg
第6回-第10回610kg600kg590kg580kg
第11回-第15回620kg610kg600kg590kg
第16回-第20回630kg620kg610kg600kg
第21回-第26回640kg630kg620kg610kg

2歳

格付第1回-
第4回
第5回-
第8回
第9回-
第11回
第12回-
第14回
第15回-
第17回
第18回-
第20回
第21回-
第23回
第24回-
第26回
A490kg500Kg510kg520kg530kg540kg550kg560kg
B490kg500Kg510kg520kg530kg540kg540kg550kg
C490kg490Kg500kg510kg520kg530kg530kg540kg
D490kg490Kg500kg500kg510kg520kg520kg530kg

ばんえい重量の加減

一般競走における重量の加減については、以下のとおり規定されている。

  1. 牝馬は20kg減量。
  2. 2歳・3歳のセン馬は10kg減量。
  3. 2歳馬は当該年度の収得賞金が30万円につき5kg加増する。
  4. 3歳以上のクラスに格付けされた3・4歳馬は、以下のとおり減量する。
開催第1回-
第19回
第20回-
第26回
3歳20kg10kg
4歳10kg

騎手重量

2009年度は第1回-第14回までが75kg、第15回-第26回までは77kgとされ、足りない場合はのおもりを入れた鉄製の箱(弁当箱とも呼ばれる)を持って調整する。大型馬を操ることもあり騎手重量が重めに設定されているため、平地競走のように減量を行う騎手はほとんどいない。

なお、一般競走における減量騎手の取り扱いは以下のとおり。出走表や専門紙にはカッコ内の記号で表示される。

男性騎手の場合

通算勝利度数が50勝未満の騎手は10kg減量(☆)。

免許取得5年以下で通算勝利度数が50勝以上100勝未満の騎手は、当該年度10勝するまで10kg減量(☆)。

女性騎手の場合

通算勝利度数が50勝未満の騎手は20kg減量(△)。

免許取得5年以下で通算勝利度数が50勝以上100勝未満の騎手は、当該年度10勝するまで20kg減量(△)。

上記以外の騎手については、10kg減量(☆)。

騎手(公営競技)

2010年4月1日現在、ばんえい競馬では30名の騎手が在籍し、うち女性騎手が2名含まれている。

ばんえい競走では、平地競走よりも騎手の技量が占める割合が高い。

ばん馬はをつけない(つける必要がない)ため、騎手はパドックから本馬場に入場する際に鞍ももないばん馬にまたがって騎乗するが、これは平地・障害競走や馬術競技、一般の乗馬での騎乗よりも難易度が高い。

レースで使用するそりには手綱以外につかまるものがないため体全体でバランスをとる必要があるうえ、レース中は手綱を引くと馬が止まってしまうため、高度な技術が必要となる。平地競走とは異なり重い馬を御すことが重要となるため、騎手の体重は重い方が有利であるとされる。ただし、騎手の重量は前述の通り「弁当箱」で調整されているため、個別に体重が発表されることはない。また、平地競走とは異なり騎手の身長にも制限がないため、身長が高いことなどの理由から平地競走の騎手を断念した者がばんえい競馬の騎手を目指す例も見られる。

2009年にばんえい競馬の騎手免許を取得した林義直は、身長が191cmと現役の日本人騎手としては最も高く、世界的にも例がないことからギネス・ワールド・レコーズへの申請も検討されている。

レース中も騎手同士でさまざまな駆け引きが繰り広げられるほか、第2障害通過後の追い方も多種多様である。

1日の競走回数は最大12競走であるが、原則として1日の最大騎乗回数は7回までと定められている。

また、ばんえい競馬では他の地方競馬や中央競馬(および他種公営競技)と異なり騎手(選手)を養成する専門機関が存在しない。このため、ばんえい競馬の騎手になるにはまず厩舎に厩務員などとして就職し、厩舎で馬の扱い方や乗り方などを習得した上で騎手免許試験を受験し、これに合格した者に騎手免許が交付されるシステムとなっている。この騎手免許試験はばんえい競馬独自の内容で、試験の難易度も高く一発合格は稀で、多くの場合二度三度と受験してやっと合格できる非常に狭き門となっている。

通算2000勝以上を記録した騎手

現役・引退ともデビューの早い順に記載。

記録は公式に残っている1963年以降のもの。

現役騎手の記録は2009年度終了時点。

現役

  • 鈴木勝堤(1981年-、通算17303戦2266勝)
  • 藤本匠(1983年-、通算22954戦2977勝)
  • 大河原和雄(1985年-、通算20708戦2537勝)

引退

歴代リーディングジョッキー第1位受賞回数の上位騎手

  • 13回 金山明彦
  • 8回 中西関松(通算4616戦883勝)
  • 5回 坂本東一
  • 4回 山田勇作(通算7775戦1109勝)、久田守、鈴木勝堤
  • 3回 工藤正男(通算6606戦1001勝)

馬場(公営競技)

ばんえい競馬では、開門前から最終競走の概ね1時間前の間に数回馬場水分を計測し、測定時刻と馬場水分値を0.1%単位で発表している<ref>1日の競走数が12の場合、開門45分前と第1競走発走時刻の45分前に計測。以後は第2・第4・第6・第8・第10競走の各発走時刻から5分後に計測している。</ref>。水分値は通常0.1%から9.9%までの範囲で発表されるが、積雪した場合などには10%を超える数値が発表される場合もある。日本国内ではばんえい競馬のみで行われている独特の方式である<ref>日本以外の国では馬場状態を馬場水分値で発表している競馬場がある。</ref>が、これは馬場の水分状態が馬券検討の際に重要なファクターとなるためである。

ばんえい競走は平地競走と異なり、晴天で馬場が乾いているとそりの滑りが悪くなり、タイムは遅くなる(重馬場)。逆に雨や雪が降って馬場が水分を含むとそりの滑りが良くなり、タイムは速くなる(軽馬場)。平均タイムは概ね2分前後(競走により4分-5分以上かかる場合もある)であるが、冬季に馬場が積雪した場合はさらに速くなる場合があり、1分を切るタイムが出ることもある。馬場状態によって得意・不得意がある馬もいる。一般に軽馬場では逃げ馬が、重馬場では差し馬が有利とされる。

また、夏季等で馬場があまりに乾燥した場合は、大量の砂塵が舞い上がって人馬の視界を遮りレースに支障をきたす恐れがあるため、散水を行う場合がある。散水する場所はスタート-第1障害、第1障害-第2障害、ゴール前の3箇所のうちいずれかが必要に応じて選択される(複数選択される場合もある)。なお、散水を行った場合は場内・各場外などに事後告知される。

結果を伝える翌日の新聞等では「(計測した馬場水分の)最高値-最低値」で掲載しているほか、代表値のみを掲載する新聞もある。公式の競走成績などでは、発走時刻に最も近い測定時刻の馬場水分値を各競走ごとに掲載している。

見どころ(公営競技)

ばんえい競馬の一番の見せ場はレース中盤から後半にかかる第2障害である。この第2障害の越え方がレース戦略上最も重要となる。

各馬ともスタート直後はそりを曳いたままキャンターで飛び出し、第1障害-第2障害間と第2障害の手前では一旦脚を止める。多くは馬の息を整えて第2障害を一気に越えるが、馬場が極端に軽い場合はスタートから止まらず一気に第2障害まで越える作戦を狙う場合もある。また、人馬の呼吸を合わせるのと同時に、仕掛けるタイミングを巡って騎手間でも駆け引きが繰り広げられる<ref>規則上、第2障害通過後は騎手が意図的に馬を止めることが認められていない。</ref>事から、騎手にとっては最大の腕の見せ所になる。

馬にとっても第2障害は一番の正念場で、障害を越えられずにひざをついてしまう馬や力尽きて倒れこんでしまう馬もいる。

第2障害を越えた後も、最後の直線やゴール前で止まってしまう馬もいるため、ゴール直前の逆転劇もあり、勝負の行方は最後まで予断を許さない。

その特殊な競走形態から人間が歩いても追いつく程度の速度で展開するため、ファンも馬と一緒にスタンドを移動しながら声援を送る光景がみられる。これは高速で展開する平地競走や他種公営競技には見られない、ばんえい競馬ならではの特徴である。

実況での表現

実況を担当している井馬博の名調子や独特の表現がレースをさらに盛り上げ、こちらもばんえい競馬の名物となっている。

  • きらう、刻む - 第1障害-第2障害間で馬が止まる、馬を止めて息を入れること
  • ばんえいポイント、勝負どころ - 第2障害のこと
  • つまる - 最後の直線やゴール前で馬が止まること

重賞競走(2010年度)

2009年度からの変更点は以下の通り<ref>2010年度「ばんえい十勝」重賞日程について - ばんえい十勝オフィシャルホームページ 2010年3月14日</ref><ref>「グランプリ」BG1に昇格 重賞日程決まる - 十勝毎日新聞電子版「ばんえい十勝劇場」 2010年3月24日</ref>。

  • ばんえいグランプリをBG1へ格上げ。
  • 3歳から7歳以上まで5つにカテゴリー分けし、それぞれの賞金総額上位2頭ずつを選抜する重賞を新設し、2010年12月12日に実施。競走名は公募により決定する予定。
  • 3・4歳馬による世代対抗重賞路線を整備するため「はまなす賞」「ポプラ賞」を重賞に再昇格。
  • 黒ユリ賞が2歳(3歳)の重賞に条件変更。これに伴い、バレンタインカップばんえいプリンセス賞は重賞から外される。
  • 各重賞競走への優先出走権獲得を目指したトライアル路線を整備。
  • 2011年1月23 - 31日の第22回開催を「プリンセスシリーズ」と設定し、ヒロインズカップや世代毎の牝馬限定戦を設定。

カッコ内は1月-3月の馬齢表記。

2歳(3歳)
BG1
イレネー記念
BG2
黒ユリ賞(牝馬限定)
BG3
ナナカマド賞
ヤングチャンピオンシップ(産駒特別選抜)
3歳(4歳)
BG1
ばんえいダービー
ばんえいオークス(牝馬限定)
BG2
ばんえい菊花賞
BG3
ばんえい大賞典
4歳(5歳)
BG1
天馬賞
BG2
銀河賞
BG3
柏林賞
クインカップ(牝馬限定)
3歳(4歳)以上
BG1
ばんえいグランプリ(ファン投票選出馬など)
帯広記念
ばんえい記念
BG2
ばんえい十勝オッズパーク杯
岩見沢記念
北見記念
ヒロインズカップ (牝馬限定)
チャンピオンカップ(重賞競走優勝馬など)
BG3
旭川記念
はまなす賞(3・4歳馬限定)
北斗賞
ポプラ賞(4・5歳馬限定)
新設重賞(馬齢選抜、名称は公募で決定)


その他の競走

産地限定競走(ばんえい甲子園)

2歳馬による産地限定の競走。各トライアル競走の優勝馬と2着馬には重賞競走「ヤングチャンピオンシップ」への優先出走権が与えられる。2008年からは下記のトライアル競走を総称して「ばんえい甲子園」と呼んでいる。

産地別トライアル競走

  • 南北海道産駒特別 : 石狩・後志・渡島・檜山・胆振・日高管内産馬および道外産馬限定
  • 北央産駒特別 : 空知・上川・留萌・宗谷管内産馬限定
  • 北見産駒特別 : 網走管内産馬限定
  • 釧路産駒特別 : 釧路・根室管内産馬限定
  • 十勝産駒特別 : 十勝管内産馬限定

ヤングチャンピオンシップ

  • 上記トライアル競走の上位馬による重賞競走。詳細は当該記事を参照。

企業(団体)・個人協賛競走

ばんえい競馬では、企業(団体)や個人から協賛金を受けた一般競走や一部の特別競走を冠レースとして実施している。
協賛金のうち7割が馬主・調教師・騎手などへの副賞、3割が運営振興費として充てられる。
出走表などにレース名を掲載し、当日は特別観覧席への招待(申込者を含め5名まで)や表彰式にプレゼンターとして参加可能なほか、優勝馬の記念撮影にも参加できる。

  • 企業・団体の場合
    • 1口10000円、3口以上で受付。
    • 場内でのポスター掲示・PR活動や、場内テレビなどでCMを放映。
  • 個人の場合
    • 1口10000円、1口以上で受付。
    • 当日来場できなかった場合は、後日競走名入り出走表と記念撮影写真を郵送。

蛍の光賞

2006年度までは年度末頃に名物競走として、「蛍の光賞」(11歳馬・12歳セン馬限定)が行われていた。

ばんえい競馬は2006年度まで定年制を採用(明け11歳。セン馬は12歳)していたため、「蛍の光賞」は定年引退馬の花道を飾る最後の競走として選ばれることが多かった。<ref>1980年から1988年までは重賞競走として施行されていた。</ref>

2007年度から定年制や減量特典の年齢制限が撤廃されたことにより、「蛍の光賞」は年度を締め括る最後の競走として施行されるようになり、2009年度は2010年3月29日に施行された。

たちばな賞

2006年度までは年度末頃に「たちばな賞」(8歳牝馬限定・2006年度をもって廃止)が行われていた。

2006年度までは8歳3月までの牝馬に対してばんえい重量を一律20kg減量していた<ref>2007年度からは減量特典の年齢制限がなくなり、牝馬限定戦など一部を除いて一律に20kg減量される。</ref>が、8歳4月以降の牝馬はこの特典がなくなり牡馬と同重量とされたため、一部を除き多くの牝馬が8歳3月までに引退して後の繁殖に備えることが多かったことから、「たちばな賞」は引退する牝馬の花道を飾る最後の競走として選ばれることが多かった。

現在、「たちばな賞」は通常の特別競走として施行している。

発売している勝馬投票券

全国の公営競技では唯一3連勝式馬券を発売していない<ref>福山競馬場において、2010年4月10日より3連複馬券の発売が開始されたことで、ばんえい競馬を除く全公営競技における3連複・3連単の導入が完了した。2000年10月13日住之江競艇場で全公営競技を通じて初めて3連複・3連単が発売されてから、約9年半を要したことになる。</ref>が、重勝式馬券をインターネット投票限定で発売している。

○…発売 ×…発売なし ▲…インターネット投票のみ

単勝 複勝 枠番連複 枠番連単 馬番連複 馬番連単 ワイド 3連複 3連単 重勝式
××××

予想専門紙

以下の専門紙が販売されている。

過去に存在した専門紙

以前はガリ版刷りの専門紙が数種類発売されていたが、売上不振のため姿を消した。

など

スポーツ新聞などでの出走表掲載

スポーツ新聞での扱いはホッカイドウ競馬よりも小さいことが多く、道内で発行しているものであっても、簡易出走表の掲載のみにとどまっていることが多い。

定期的に馬柱を掲載している新聞は以下の通り。

  • 日刊スポーツ(北海道版でメインレースのみ)
  • 東京スポーツ大阪スポーツ(土曜日のみ)<ref>東京スポーツは道内でも発売しているが、翌朝の朝刊扱いとなるため、掲載しているレースが既に終了している場合もある。</ref>

上記のほか、広域場外発売を行う競走ではその他のスポーツ新聞にも掲載される場合がある。

予想の特徴

予想が大きく異なる場合が多く、各予想者の本命予想も1頭に集中することが少ないため、少頭数のわりに人気が割れやすい。

万馬券の出現率はあまり高くないが中穴配当が比較的多く、平均配当も高い。ただ、馬単導入後は馬単で万馬券の出現が目立つ。

また、前述の通り人気が割れやすいことに加え単勝・複勝馬券の売上も少ないため、単勝・複勝人気と枠複・馬複・馬単の人気が必ずしも一致しないこともある。

在宅投票

以下の在宅投票が利用可能。

全レースを発売
オッズパーク
楽天競馬
一部レースのみ発売
SPAT4

場外発売所

運営主体をまたぐ発売所との間では、投票券の払戻に互換性がない。

ばんえい競馬が運営する場外発売所

ばんえい競馬の全競走とホッカイドウ競馬の場外発売を行っているほか、南関東岩手を中心とした道外の地方競馬を広域場外発売している。
ハロンズ名寄・ミントスポット北見・レラ・スポット北彩都ハロンズ釧路では、ホッカイドウ競馬や他地区の場外発売時も3連複・3連単を発売しない。
ばんえい競馬が昼間開催日に南関東がナイター開催している場合は、ばんえい競馬の最終競走発売終了後、引き続き南関東の場外発売に移行し、最終競走まで場外発売を行う。

ばんえい競馬・ホッカイドウ競馬ともに発売

ばんえい競馬のみ発売

  • レラ・スポット北彩都 - 旭川市南6条通20丁目1978-17
  • ハロンズ釧路 - 釧路市若松町2番13号

発売所の閉鎖・新設

2009年度
  • 旭川市に専用場外発売所「レラ・スポット北彩都」を新設し、4月25日より場外発売を開始した。これに伴い、従来場外発売を行っていた旭川レーシングセンターではばんえい競馬の場外発売を終了した(ホッカイドウ競馬は引き続き場外発売を行う)。
  • 北見市小泉に場外発売所「ミントスポット北見」を新設し、2009年7月4日より発売を開始した。これに伴い、北見競馬場での場外発売は6月29日をもって終了した(出典)。
2010年度
  • 夏ごろを目途に、網走市に場外発売所を新設する方向で調整に入った(出典)。

その他

道内

以下のホッカイドウ競馬が運営する場外発売所では、ばんえい競馬の場外発売も行っている。ただし、場外発売を行わない日もある。
ホッカイドウ競馬や他地区の場外発売時は、3連複・3連単を発売する。

道外

以下の発売所で、定期的にばんえい競馬の場外発売を行っている。発売日程を確認のこと。

  • 大井競馬場内「ふるさとコーナー」
    • 南関東競馬開催日のみ発売。
    • 通常は当日の全レースを発売するが、南関東とばんえい競馬の開催時間が異なる場合、発売は以下の通りとなる。
      • 南関東が昼間開催、ばんえい競馬がナイター開催:南関東では開門予定時刻より発売開始。ただし、開門予定時刻の20分後より前に発走する競走は発売しない。また南関東の最終競走発走時点で発売中の競走がある場合は、その競走の発売締切時にすべての発売を終了するため、南関東の発売終了時刻以降に発走するばんえい競馬の競走は前売発売のみとなる。
      • 南関東がナイター開催、ばんえい競馬が昼間開催:南関東では12:00より発売開始。ただし、12:20より前に発走するばんえい競馬の競走は発売しない。
    • ふるさとコーナーで発券した投票券の払戻は、ふるさとコーナーのみ取り扱う。

また、以下の発売所でも場外発売を行っているほか、一部の重賞競走は他地区の発売所でも広域場外発売を実施する場合がある。

払戻について

競馬場や各場外発売所での払戻業務は原則として開催日のみとなっているが、郵送での払戻も受け付けている。これは遠隔地や閉幕後など、次開催までに払戻有効期間を過ぎてしまう場合があるための措置。ただし、振込みなどに伴う手数料は差し引かれる。

レース実況放送

スカパー!を除き、全レースを完全生中継している。なお、2008年度まではNTTドコモ携帯電話FOMAのみ)でもレース実況を配信していた。

スカパー!

スカパー!での放送体制はたびたび変更され、2つのチャンネルを併用していた時期もある<ref>以前は241ch「ハッピー241」で放送していた。2008年12月6日より2009年3月まで709ch「エキサイティング・グランプリ」(ばんえい競馬を含む公営競技中継のみ無料)と795chの併用だった。</ref>。2010年度は以下の通り放送する予定で、一部の競走は録画放送となる。

ケーブルテレビ

その他

  • 公式サイト内「インターネットライブ」

内容(共通)

  • 司会:太田裕士、水島洋子(いずれか1名で担当、馬場入場時の場内アナウンスも行う。1日を前半と後半で分担する場合もある)
  • 実況:井馬博
  • 解説:木本利元(競馬ブック。元ホースニュース・馬)、定政紀宏(競馬ブック)

レース実況・オッズ放映のほか、専門紙記者などを解説に招いて、パドック解説や展開予想、買い目を紹介している。解説者は前半と後半で担当を分担している。

帯広本場や各場外でも同時放映している。

その他のばんえい競馬を扱った番組

参考文献・脚注

  • 寺島敏治『馬産王国・釧路』-釧路馬の時代-〈釧路新書〉釧路市史編纂事務局編、釧路市、1991年、167-172頁
  • 内田靖夫 『ばんえいまんがどくほん』 北海道市営競馬協議会 1983年

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関連項目

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外部リンク

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